ヒロシのWorld NEWS

世界のニュースを日本語でお届け!

学生に違法薬物(麻薬)の飲み方を指導:これが現実的な対策だって? (BBC-News, October 2, 2018)

https://ichef.bbci.co.uk/news/936/cpsprodpb/17119/production/_89998449_family.jpg

 かっては、高校生が学校でタバコを吸うと、停学か退学の処分になった。では、タバコではなく違法薬物(麻薬)だったら.....。高校生がダメで大学生なら許されるのか。
 今、欧州・北米の大学生の間で「違法薬物 (illegal drugs)」が蔓延している。「The National Union of Students (英国学生連盟)」の調査によると、UKの学生5人の内2人が違法薬物に手を染めている。
 最も出回っている薬物は次のとおり。

・cannabis:大麻
・ecstasy:エクスタシー
・MDMA:エム・ディ・エム・エー
・nitrous oxide:亜酸化窒素
・powder cocaine:粉末コカイン

 もしも、薬物を所持しているとの理由で、学生を処罰、追放したら、学生の40%が大学からいなくなってしまう。また、学生が、右も左も分からずに薬物に手を出して、あえなく、その若い命を失う事態も起きている。
 そこで、Shefield大学の「Students' Union (学生連合)」は、学生の命を薬物から救うためとの名目で、「薬物の正しい飲み方」に関するガイダンスを作成し、学生に公開した。

 大学もここまで堕ちたのかと、失望感を禁じ得ない。しかし、Unionはこれが現実的な対処法であるとの立場を崩さない。
 これに対して、「National Drug Prevention Alliance (英国薬物防止同盟)」広報担当のMr David Raynesは、薬物を安全に飲むためのガイダンスを作成するなんて、学生が、ごく当たり前に薬物に手を出す「キャンパスの風潮」を創りかねないと、反発を強める。むしろ、薬物に手を染める学生には、「social pressure and peer pressure (社会のプレッシャや仲間のプレッシャ)」が必要ではないかと主張する。

 一方、Buckingham大学は、「違法薬物」をキャンパスから撲滅することを目標に掲げた。学生には違法薬物に手を出さないとの誓約書まで書かせた上、2年前からキャンパスに警察の「麻薬犬 (sniffer dogs)」を導入した。 
 そのねらいは、あくまで、学生の処罰よりも学生に薬物を止めさせることにあると、大学側は説明する。
 しかし、Buckingham大学の副総長 (vice-chancellor) Sir Anthony Seldonさえ,

"He admitted the university was unlikely to 'stamp drugs out altogether'."
[ 大学から違法薬物を完全に根絶することなど、できっこない。]

と認めざるを得ない状況だ。

 洋の東西を問わず、古くから大学・学問処は、真理探究の場、人の心を磨き上げる場として「聖域 (sanctuary)」であった。その大学が廃 (すた)れた。官僚主義、商業主義そして不正までもが蔓延 (はびこ)り、学生は学問に対する熱意を失い、真理探究の場の自由をはき違え、薬物を吸って、気が変になるとは。なんと愚かなことか。

                                            (写真は添付のBBC Newsから引用)

  面白かったら、投票クリックお願いします!

www.bbc.com