処方箋の薬に「うつ病」の副作用あり:複数の薬の服用でリスク増! (BBC-Health, June 13, 2018)
頭痛に食あたり、食べ過ぎと言っては、市販の薬を飲み、さらに病院から処方された高血圧、コレステロールの薬を飲む。すると、薬は確かに効いてはくれるが、副作用が現われることもある。その最も一般的な副作用が「うつ病 (depression)」だという。
Illinois大学のDima Qato助教授らの研究グループは、US在住の18歳以上で、かつ2005-2014年の間に少なくとも一度は病院から処方を受けたことのある 26,000人の被験者に、研究に参加してもらい、薬の「副作用 (side-effect)」、「弊害 (adverse effects)」について調査した。(研究の詳細は医学雑誌「The Journal of the American Medical Association」に発表。)
その結果、病院で処方された薬 (鎮痛剤や胃薬などを含む)の37%は、副作用として「うつ病」を発症させていることが分かった。
さらに、うつ病を発症した人の割合は、服用する薬の種類が多くなるほど増加し、
・7% :服用する薬が1種類
・9% :服用する薬が2種類
・15% :服用する薬が3種類以上
しかし、「薬の服用」と「うつ病の発症」との関連性が分かっても、その原因 (なぜ、うつ病が発症するのか)については不明。
病気それ自体が、気分を落ち込ませているのか、それとも、潜在的にうつ病のリスクが心の中に潜んでいるのか、判断できないのだ。
これは著者個人の意見だが、発症メカニズム(あるいは物理現象のメカニズム)を明らかにできなかったからと言って、その研究結果に意味がないとする意見には賛成できない。「薬を飲むと、うつ病の発症リスクが高まる」。この事実が確認されたことこそ重要だ。
ただし、「The Royal Pharmaceutical Society (王立薬剤師会)」の David Taylor教授によると、現在、何らかの薬を服用している人で、うつ病の症状がなければ心配する必要はないとのこと。
一方、薬を服用するときは、医者任せではいけない。自分で「注意書き」をよく読むか、Onlineで調べて「副作用に注意」を払う必要がある。
なお、USの成人の約5% (約150万人)がうつ病に苦しんでいるという。
(写真は添付のBBC Newsから引用)