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TVの魔力が脳みそを腐らす?:いや、言語記憶を消し去る! (BBC-Health, Feb 28, 2019)

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  一人ぼっちの暮らしは、寂しいに違いない。朝起きたら、まずTVのスイッチを入れる。来客があっても、電話がなっても、TVは付けっぱなし。
 そんなふうに、人知れず、孤独と戦っている人に、『食事のときぐらい、あるいは人と話しをするときぐらいTVを消して』とは、なかなか言いにくい。
 TVは情報源や娯楽の道具でもあるが、話し相手のいない人にとっては、居間を賑やかにしてくれる「見せかけのエンターテイメント」だ。もちろん、そこには落とし穴もある。

 さて、人間は加齢に伴って誰でも記憶力が落ちる。しかし、TVには、その記憶力の低下をさらに加速する魔力があった。
 University College Londonの Dr Daisy Fancourtらの研究グループが、50歳以上の男女3,500人を対象にして実施した6年間に及ぶ研究調査によると、1日 3時間半以上TVを観ていると、「verbal memory (言語記憶)」が8% - 10%も低下した。(研究結果の詳細は「Scientific Reports」に発表。)

 とくに、問題なのは「soap opera (メロドラマ)。観ている人が、ドラマの登場人物の感情に引き込まれてしまう。すると、「Cognitive stress (認知ストレス)」が発生し、言語記憶をダメにするという。
 どうやら、TVを「ダラダラ観ている (couch potatoes)」と、読書にも運動にも、意欲をなくして、脳は、ひたすら受け身になるようだ。これでは、脳は腐らないまでも、まともな思考力を失ってしまう。
 
 TV。あれは、人の心を自在に操(あやつ)る道具、権力者の声を大きく響かせる拡声器の側面もあるだろう。4Kだ 8K だと踊らされ、浮かれて、心まで奪われてはいけない。 
                 (写真は添付のBBC Newsから引用)

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