病気を診る人と診られる人:苦しみはこんなに違う! (BBC-News, May 1, 2018)
バーミンガム (Birminghm) から約 55km北東の先には、古都「Leicester (レスター)」が England中部を流れる「River Soa (ソア川)」沿いに佇む。ここは古代ローマ人が築いた歴史ある、人口約 35万人の都市だ。
古代ローマ人、Angles (アングル人) の侵入に遭い、戦後はインド人をはじめ多くの外国人が住み着いた場所で知られる。
現在、Leicesterの抱える悩みは、住民が病気になっても診察・治療が遅れに遅れ、たとえば、掛かり付けのホーム・ドクター (GP) から照会状をもらって、「心の病(mental health)」の診察を申し込んでも、平均 135日も待たされること。
Ms Samanth Sinykenaは「うつ病 (depression)」と「摂食障害 (eating disorder)」に苦しみ、「GP referral (照会状)」を携えて診察の予約を申し込んだ。ところが、6ヶ月も待たされたあげく、ようやく精神科の診察を受けたが、今度は「psychotherapy(心理療法)」の治療を受けるのに、2年間待たされた。
これほど長い間、誰からもサポートを受けられず、治療も受けられないとすると、症状は深刻になりかねない。「心がボロボロになっている人 (vulnerable patients)」にとって、治療の遅れは、病気のストレスに拍車を駆け、心の病の回復を一層難しくする。
うつ病患者は、精神的に逃げ場のない状態に追い込まれ、結局、自殺に走ってしまうという。
それでも、市民の「mental health」医療システムを管理する「Nottinghamshire Healthcare NHS Trust (ノッチンガム州医療 NHSトラスト)」の認識は、一般住民と違う。この数年、医療サービスの遅れの問題については、「significant improvement (大きな進展)」があったと自負しているとか。
一方で、弱い立場の患者が死ぬほど苦しんでいるのに、他方の側の権力者に、その声はまともに届かず、大切な人命が失われているとすれば、ほんとうに人間は進化したと言えるのだろうか。
(写真は添付のBBC Newsから引用)