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蛇に恋して、その魔力に取り憑かれ!:ついに命を落とした男 (BBC-News, January 24, 2018)

https://ichef.bbci.co.uk/news/736/cpsprodpb/170F/production/_99730950_e73655e9-d028-4e04-9a76-737409d6d566.jpg

 その目つきはワニ (crocodiles) ほど冷酷・残忍な感じを与えないが、顔立ちは決してかわいいとは思えない。獲物 (prey) を捕らえると、これをグルグル巻きにして強力な力で絞め殺し、一飲みで食べてしまうニョロニョロ。ニシキヘビ (pythons) のことだ。
 それも「African rock python (アフリカニシキヘビ)」はアフリカ最大のヘビ。全長7m、重さ 90kgの巨体になることもあり、藪の中に隠れて狙うのはサル、イボイノシシ(warthogs)、 レイヨウ (antelopes)。ワニだって絞め殺して呑み込んでしまう。

 ところが、人はときに奇妙奇天烈なものに興味を引かれて熱中し、ときに奇妙不可解な行動に走ることもある。
 イングランド南部「Hampshire (ハンプシャー州)」のBasingstoke (ベイジングストーク)に住む Mr Daniel Brandon  (31歳) は、15歳のときから自分の部屋でヘビ 10匹、タランチュラ (tarantulas) 12匹をペットとして飼っていた。
 その内の 1匹が「African rock python (アフリカニシキヘビ)」だった。手の平に乗るくらい小さいときから飼い慣らし、「Tiny (おチビちゃん)」と呼んでいたという。

 それが昨年の 8月25日の夕刻、母親の Ms Barbara Brandon は息子 Daniel の部屋からドスンという音を聞く。母親はダンベルでも床に落ちたか、息子が何かを打ち叩いかと思ったそうだ。しかし、後で息子の部屋をのぞくと、Danielは「asphyxiation (窒息)」して意識を失い (unconscious)、ヘビの「Tiny」はキャビネットの下で蜷局(とぐろ)を巻いていた。

 この事件を担当した検視官 (coroner) の Mr Andrew Bradleyは、Danielの死を「事故死(verdict of misadventure)」と判定。しかし、爬虫類 (reptiles) 専門の John Cooper教授は、事件後に脱皮した「Tiny」の抜け殻を調べて、首をひねる。

"If the snake had coiled around Mr Brandon, there would have been scratches visible on the snake's skin caused by him trying to get the reptile off - but there were none."

[ そのニシキヘビが Mr Brandonに巻き付いたなら、Mr Brandonは、これをほどこうとして、ヘビの体に大きな引っ掻き傷を負わせたはず。しかし、そんな傷跡はなかった。]

 母親が言うことには、息子 Danielは
"One of the funniest people you could wish to meet"
[ 誰もが会ってみたいと思うようなとってもおもしろい性格の子だった。]

また、友人の 1人は Mr Brandonを評して、
"Dan was obsessed with snakes, spiders, birds, and all wild life."
[ Danはヘビ、クモ、野鳥をはじめ、全ての野生生物に取り憑かれていた。]

 そして、検視官の Mr Bradleyによれば、
"The most likely scenario is that Tiny was engaged with Dan - I have no doubt about that."
[ 一番に考えられることは、ヘビの Tiny が Dan に絡みついて強く抱きしめたこと。それは確信できるよ。]

 ちなみに「Tiny」は雌だった。人間にしろ、ヘビにしろ、越えてはならない「境界」を越えては破滅につながる。
                  (写真は添付のBBC Newsから引用)

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