人類の祖先「初期猿人」が、樹の上から地上に降りて二足歩行を始めた約700万年−500万年頃、個性あふれる多くの生物も、互いに影響を及ぼし合いながら「進化 (evolution)」を遂げて、地球上の「生物多様性 (biodiversity)」が進んだ。
そして、生物は、その DNAを子孫に受け継ぎ、草原や森の中で静かに生を営む。こうして、脈々と、地球上の生物の種の保存が保たれて来た。
しかし、昨年、「Intergovernmental panel of scientists (政府間科学者パネル)」が発表した報告書によると、地球上の動植物の約100万種が絶滅の危機に晒されているという。人間が「habitats (生息環境)」をズタズタにしているのが主な原因だ。具体的には、次の 3点が挙げられる。
・urban development:都市開発
・deforestation:森林破壊
・road building:道路建設
なお、Imperial College Londonの Mr Rikki Gumbs, Dr James Rosindellらの研究チームの調査によると、とくに固有な生物の種の存続が危ぶまれている地域は
・Caribean:カリブ諸島
・Western Ghats of India:インド西ガーツ山脈
・Southeast Asia:東南アジア
地球上の特定の地域、すなわち、この宇宙にあって、他の場所では二度と見ることができない生物固有種が、「とてつもないスケール(incomprehensible scale)」で、完全にこの世から抹殺されようとしている。 (詳細は「Nature Communications」に発表)
その中には「tapirs (バク)」、「pandigolins (センザンコウ)」はじめ、未だに生態がよく分かっていない「legless lizards (脚のないトカゲ)」や「tiny blind snakes (目のない小さなヘビ)」も含まれる。それぞれの生物の姿、形は異様であっても、その全ての生物は、地球上の自然界の生態系バランス、食物連鎖 (food web)を保つ上で重要な役割を果たしているのだ。
生物は、進化の「系統樹 (phylogenetic tree)」において、互いに関連しあって進化する。Imperial College Londonの研究チームは、生物が現在の姿に進化するまでに要した「cumulative evolutionary history (積算進化履歴)」を計算した。
すると、結果は約500億年(宇宙の誕生が約130億年前と考えられている)。したがって、生物の進化にはとんでもない時間が掛かったことになる。
「ヒト族 (Homo)」と同様、この地球号の乗組員のメンバーであり、貴重でユニークな多くの生物が、宇宙のタイムスケールでは、ほんの一瞬とも言える、この十数年間で、宇宙から永遠に消える。それも、いじわるで、欲深い人間のせいで。
多くの生物の種が絶滅することは、地球上の生物圏に「ほころび(holes)」ができて、その「生態系 (ecosystem)」が弱体化することにつながる。
(写真は添付のBBC Newsから引用)