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その洗濯とドライブが海を汚染する!:なぜ? (BBC-Science & Environment, February 22, 2017)

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 毎年、推定950万トンのプラスチックゴミ(plastic waste)が世界中の海に捨てられている。その結果、地球上に生命を誕生させ、これを育んだ海(ocean)は、どこでも汚染が拡大した。とくに生命体への被害が深刻な汚染物質は、プラスチックゴミの15 - 31%を占める無数の「microplastics (マイクロプラスチック)」だ。その一部は、プラスチック破片が紫外線を受けて「degradation(分解)」したもの。

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 しかし、「The International Union for Conservation of Natural Resources, IUCN (国際自然保護連合)」の調査によると、その微細 (1mm以下) な粒子の中味は主に、洗濯の際に衣類からこぼれ落ちる合成繊維 (synthetic textiles)と、ドライブの最中に舗装面上でタイヤが摩耗して発生するプラスチック屑だった。タイヤには様々なプラスチックが混入されているためだ。
 さらに、化粧品で使用されている「microbeads (マイクロビーズ)」も、プラスチックゴミの約 2%を占めた。

 合成繊維の衣類 (fabrics) はwoo l(羊毛), cotton (綿) などの天然繊維 (natural fabrics) に比べて価格が安いため、世界中に大量生産・大量消費の文化を広げる担い手になった。その合成繊維由来の microplastics の汚染源はアジアに集中している。
 一方、タイヤから発生する microplastics の海洋汚染源は、アメリカ、ヨーロッパ、中央アジアが中心だ。

 魚は、エサのプランクトンとマイクロプラスチック (microplasitcs) との見分けが付かない。このため、有害なプラスチックをどんどん、体に取り込んでしまう。これがさらに食物連鎖 (food chain) と生物濃縮 (bioaccumulation) の過程を経て、毒性が濃縮され続けるとと、やがて海洋生物の多様性 (diversity) と人類の健康に「disastrous effects (悲惨な影響)」を及ぼすことになりかねない。

 さて、海洋汚染の主な原因は、合成繊維とタイヤにあることが分かったが、その解決は極めて難しい。誰にとっても洗濯やドライブを今すぐに止めることなどできないからだ。
 現在、「micro fibres (マイクロ・ファイバー)」、「micro materials (マイクロ・マテリアル)」と称する新素材開発が盛んに進められている。しかし、人工的に作り出される超微粒子の飛散を一体どうやって防ぎ切れるのだろう。花粉症に悩まされる人が多いのに、将来、さらに手強い汚染物質が生産され、放出されるなんて。

                                (写真は添付の BBC Newsから引用。)

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