遺伝子組み換えで:スーパー能力ネズミ! (BBC-Science & Environment, July 8, 2016)
「遺伝子組み換え (genetic modification)」はアメリカで大豆の大量生産に利用され、今や、安価な納豆の大半は遺伝子組み換えの大豆を原材料にしている。
さて、アメリカはこの技術をネズミにも適用し、科学雑誌「Cell Reports」にその成果を発表した。City University of New York (ニューヨーク市立大学) Hunter Collegeの Dr Charlotte D'Hulstら の研究チームが、ネズミの臭覚受容体 (olfactory receptors)の遺伝子を操作し、「ミュウタント・ネズミ (mutant mice)」をつくることに成功したのだ。
ネズミは、犬と同じように、臭覚機能が優れていることで知られている。Dr D'Hulst らが目指す最終目標は、特定の臭いに高度な臭覚感度を有するスーパーネズミ(super sniffers) をつくり出し、麻薬や火薬 (TNT) の探知機として役立てること。
なお、大型のネズミ (rats) は、すでにアフリカで「地雷 (landmines)」の探知に利用されている。
今回、つくり出された遺伝子組み換えネズミは、通常のネズミに比べて、その臭覚の鋭敏さが抜群に改良されている。
将来は、人間の臭覚受容体を組み込んだネズミをつくり出し、人の臭覚の研究や新たな香水の開発、臭覚障害の治療、あるいは病気を臭いで診断する「bio-reactor (バイオ・リアクター)」の開発につなげたいと、研究者は胸をふくらましている。
(写真は添付のBBC Newsから引用。)