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ひねくれの化けもの (乳がん):遺伝子解析で仕留めよ! (BBC-Health, May 2, 2016)

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 ガンは「ひねくれた化け物 (devious beast)」。薬に対してすぐに抵抗力をつけ、逃げ回る。これを仕留めるためには、まず、その姿、正体を明らかにしなければ始まらない。しかし、それが難しいのだ。

 どうやら、体内に侵入したウイルスを退治しようとして、正常な細胞が「遺伝子コード」の配列を変えている内に、遺伝子を傷つけてしまい、これが突然変異 (mutation) を引き起こしてガン腫瘍が増殖するらしい。しかし、依然、ガンの発生メカニズムには不明な点が多い。

 ところで、人間の「遺伝子コード (genetic code)」は約 30 億個のレター(letters) で書かれていて、「ヒトゲノム (human genome)」に含まれる遺伝 (genes) の数は約20,000個だ。

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 イギリス「サンガー研究所 (The Sanger Institute)」の Sir Mike Stratton 教授らは、乳がん患者560名の遺伝子コードを分析し、乳がんの原因となる93個の遺伝子を発見した。
 この93個の遺伝子に異常が現われると、「正常な細胞 (normal breast cell)」が「ガン細胞 (breast cancer cell)」 に変化するのだ。しかも、乳ガンの 60 %は、たった 10個の遺伝子が突発的に変異して発症していた。

 なお、遺伝子の傷跡 (scars) は「突然変異の痕跡 (mutational signatures)」と呼ばれ、乳がん (beast cancer) に直接関連するものとして、今回の研究で 12 パターンの存在が突きとめられた。

 これで、化けもの「乳がん」の顔の輪郭が、おおよそ明らかになった。今後は、93個の遺伝子とその周りに巣くう特殊なたん白 (proteins) を標的にした薬の開発に重点が移される。

http://ichef-1.bbci.co.uk/news/624/cpsprodpb/39F8/production/_89504841_m1220417-breast_cancer_cells,_light_micrograph-spl.jpg


 
 一連の研究内容の詳細は「Nature」に掲載された。

                                  (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com