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全ゲノム塩基配列検査:次世代のガン診断・治療の主流となるか? (BBC-Health, Apr 22, 2022)

file picture of a cancer in the bone

 DNAに突然変異 (mutations)が起こると、正常な体細胞が崩壊し、制御不能なまでに、その異常な腫瘍細胞が分裂・増殖を繰り返すようになる。これがガンの正体。

 

 これまで、ガンは発生する身体の部位、腫瘍細胞のタイプによって分類され、治療が進められてきた。しかし、「rhabdomyosarcoma (黄斑筋肉腫」のような極めて稀なガンは、その発見、治療が難しかったという。

 

 そこで、Cambridge大学のSerena Nik−Zainal教授らの研究グループが、がん患者約1,200人の「whole genome sequensing (全ゲノム塩基配列)」を解析したところ、各種のガンの発生には、遺伝子変異 (genetic alternations)の組み合わせ、すなわち「mutational signature (突然変異の特殊な配列パターン)」が関わっていることを突き止めた。

 

 喫煙などのガン環境因子に曝された患者には、特有の突然変異パターンが認められたという。

 

 Nik-Zainal教授によると、ガン患者の「whole genome sequensing (全ゲノム塩基配列)」を解読することは、考古学の「archaeological dig (発掘調査)」のようなもの。違うのは研究フィールドが野外ではなく、DNAの塩基配列。その中から異常な突然変異の「形跡 (imprints)」を探し出すことにある。

 

 ガン患者各人の「「mutational signature (突然変異の特殊な配列パターン)」が明確になれば、「personalising treatment (その人だけに特化した個別化治療)」が可能になる。

 これによって、ガンの診断と治療効果は飛躍的に改善されるものと期待されている。

    (写真は添付のBBC-Newから引用)

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