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片目を開けて眠れる?:その「ワザ」とは (BBC-Science & Environment, October 22, 2015)

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 少々怒りっぽく (a little snippy)、人の言うことなんか聞かない (not amendable)。その細く開けた鋭い目は、人を睨み付けて離さない。ワニ (crocodiles) のことだ。

 ところで、このワニには、特殊な才能があった。

 オーストラリア「La Trobe(ラ・トローブ)大学」の Dr John Lesku らの研究チームが、「赤外線カメラ (infrared cameras)」で、24時間、ワニの生態を観察すると、ワニは眠っていても、片目を開け、周りを警戒していることに気づいた。

  そこで、片目を閉じた眠りでも、生理学的な眠りの状態に入っているのかを確認するため、ワニの頭の両側に「電極 (electrodes)」を取り付けて、左右の「脳波 (brain waves)」を測定した。
 この実験で得られた「電気生理学的な記録データ (electrophysiological recordings)」には、驚かされる。ワニは進化 (evolution) の過程で、「半睡眠 (half-brain sleeping)」の「ワザ (knock)」を身につけていたのだ。

 これまで、鳥の仲間も敵 (predators) の襲撃に備えて、夜は片目を開けて眠り、「イルカ (dolphins)」や「セイウチ (walruses)」などの「水棲哺乳類 (aquatic mammals)」も、脳の半分だけ眠らせ、残りの半分は眠らずに、水の中で仲間からはぐれないように泳いでいることがわかっている。

 動物の中では、むしろ、両目を閉じて眠る「陸生哺乳類 (terrestrial mammals)」の眠りの方が、特異 (novel) になるそうだ。確かに、人間が眠ると、体は「行動停止(behavious shutdown) に陥るため、野生の世界では、危険この上ないはず。

  人間は、その進化の道筋で、片目だけをつぶって眠るワザを忘れてしまったようだ。

 なお、Dr John Leskuらの研究結果は「The Journal of Experimental Biology」に発表された。
 
                   (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com