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ネコのネズミ捕り:秘密の化学兵器 (BBC-Science & Environment, July 4, 2015)

 

http://ichef.bbci.co.uk/news/768/cpsprodpb/9C2E/production/_84028993_20140808-wedding-006.jpg

 ネコがネズミを捕まえるとき、不思議な習性を見せる。捕まえて弱ったネズミを、わざと逃がし、慌てて逃げるネズミを、また捕まえる。これを何度も繰り返し、「遊び」に飽きたところで、ムシャムシャ腹ごしらえをする。( A cat toys with a mouse, pretending to release it and then pouncing on it again. [Oxford Dictionary of English Idioms])

 さて、このネコの習性を覚えておくと、次の英語の慣用句(idiom)は容易に理解できる。
「If you play cat and mouse with your boyfriend, (もし、あなたがボーイフレンドをもてあそんだら」。

 しかし、ネコがなぜ、あんなにも上手にネズミを捕まえることができるのか。

 その謎を解明する研究が、プラハ(Prague)にて開催された「実験生物学会大会(The Society for Experimental Biology's annual meeting」で発表されている。
 Dr Vera Voznessenskaya(ボズネセンスカヤ)らの研究によると、ネコは、ネズミ退治用武器(anti-mouse arsenal)として、化学兵器(chemical warfare)を使うという。その化学兵器とは、尿(urine)に含まれるネコ特有の化学物質(cat-specific compound)。

 一般には、ネズミの臭覚神経(chemical-sensing mouse neutrons)が、ネコの臭いに敏感に反応し、ストレスホルモン(stress hormones)の分泌レベルを上げて、警戒態勢に誘導する。 
 ところが、生まれて間もないネズミが、ある一定期間(critical period)、ネコの臭い成分にさらされると、その後、一生、そのネズミはネコの警戒心を喪失してしまう。いや、脳に警戒信号が発せられても、逃げられなくなってしまうのだ。
 何とも恐ろしい化学兵器である。これなら、やすやすとネズミを捕まえられる。

 人間の住むところに、ネズミが発生し、これをエサにするネコがまた住み着く。ネズミはネコから逃げたくても、人間のいないところでは生きて行けない。ネコはこの辺の事情をよくわかっているのかも知れない。とにかく、人間のそばにいると、エサに困らないのは事実。ネコの巧みの技には、「食うものと食われるものとの間(predator-prey pairing)」で展開された数千年の歴史があると言える。

                                      (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com