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庭はオアシス:人も小鳥も大好き、困ったことに害虫も大好き! (BBC-Science, March 12, 2021)

brown stink bug (Halyomorpha hala)

 無差別攻撃に使われる「化学兵器 (chemical weapons)」は卑怯で、卑劣な手だ。

 しかし、カメムシは、危険に遭遇すると、常に、この手を使う。その体の後部から「stink (強烈な悪臭)」液を発射するのだ。この化学兵器は強力で、下手をすると、自分自身も被害に遭いかねない。そこで、この昆虫は亀の甲羅に似せた「盾 (shields)」で背中を防備する。カメムシと呼ばれるゆえんだ。

 

 カメムシは勝手に家の中に入ってくる「招かざる客」であり、「おじゃま虫」。その上、庭の草花を荒らし、果樹園の果物を傷つけ、野菜畑の作物を台無しにする「無法もの」。動作はのろいが、飛翔力は高く、遠征などたやすいものだ。

 

 さて、そのカメムシ。UKでは、これまで「brown marmorated stink bug (クサギカメムシ)」は生息していなかった。やや大型で、背中の褐色の甲羅に斑点・縞模様 (marmorated)がある不気味なカメムシは、主に東アジアを生息地としていた。

 それが、どうしたわけか、UK南部のEssex, Surrey, Londonで初めて確認されたのだ。

 「London's National History Museum (ロンドン自然史博物館)」の昆虫学芸員 Mr Max Barclayによると、近年の気候変動の影響もあって、このカメムシの生息域は、すでにUK国内にかなり広がっている可能性があるという。Stink bug

 アジアからの外来種は、UKの在来種 (native species)のカメムシに比べて、もっと悪質、有害。ただし、両者の区別はむづかしい。このため、とにかく、カメムシを見つけたら、ただちに「squashing (踏みつぶす)」のが一番と、ガーディナーに注意を促す。

 

 なお、2020年のトップ10に挙がった、UKにおける病害虫は以下のとおり。

 

1.Top 10 pests 2020:庭園の害虫

 

・Slugs and snails:ナメクジ・カタツムリ

Vine weevil:キンケクチブト ゾウムシ

・Box tree caterpillar:ツゲノメイガ

・Ants:アリ

・Woolly aphid:タマ ワタムシ

・Glasshouse red spider mite:ハダニ (温室内)

・Fuchsia gall mite:フクシアガダに

・Glasshouse thrips:アザミウマ (温室内)

・Rosy apple aphid:アブラムシの仲間

・Capsid bug & glasshouse mealybug:カスミ カメムシ&コナ カイガラムシ

 

2.Top 10 diseases 2020:庭園の疫病

 

Honey fungus:ナラタケ菌

Pear rust:ナシ サビ病

Leaf spot and canker of Prunus:斑点病&つる枯病 (スモモ)

・Rose black spot:バラ黒斑病 

・Bracket fungi:多孔菌

・Powdery mildew of Prunus:うどんこ病 (スモモ)

Blossom wilt of fruit trees:花萎凋病

・Rose powdery mildew:バラうどんこ病

・Phytophthora root rots:根腐れ

・Brown rot of fruit:灰星病 (リンゴ、モモ、ブドウ)

 

おわりに:園芸家 (gardeners)にとって、他国から侵入した疫病・害虫は強敵。けれど、ヨーロッパ原産の「オランダミミナグサ (sticky mouse-ear chickweed)」も、しつこく、しぶとく、園芸家泣かせだ。雪が溶けたら、庭一面が、この雑草に埋め尽くされる。

   (写真は添付のBBC Newsから引用)

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