ベーコン、ハム・ソーセージ:大腸ガン、乳ガンの発症リスクを高める! (BBC-Health, October 3, 2018)
世界保健機関 WHOは、ベーコン、ハム・ソーセージなどの「加工肉 (processed meat)」を大腸ガンの恐れのある「発ガン性物質 (carcinogenic substances)」[group 1]に指定し、赤肉 (red meat)を「probably carcinogenic (おそらく発ガン性)」の [group 2A]に分類する。
ところが、「Harvard School of Public Health (ハーバード公衆衛生大学院)」のDr Maryam Farvidらの研究グルーは、これまで発表された研究論文25編の100万件を越えるデータを解析したところ、加工肉が大好きで、ベーコン・ハムなどを「癖になるほど (regularly)」食べている人は、これをほとんど食べない人に比べて、乳ガンの発症リスクが9%も高まることを明らかにした。(研究結果の詳細は、医学雑誌「The International Journal of Cancer」に掲載)
なお、以下は全て加工肉に入る。
・bacon:ベーコン
・sausages:ソーセージ
・hotdogs:ホット・ドッグ
・salami:サラミ
・corned beef:コンビーフ
・beef jerky:ビーフ・ジャーキー
・ham:ハム
一方、NHS (国民保健サービス)は、加工肉や赤肉を 1日 70g以上食べないようにと注意を促している。なお、週にベーコンの薄切り (rashers) 2 - 3 枚 (1日当たり 9g) 以上食べる人は、「high consumption (ベーコンの食べ過ぎ)」と見なされる。
UKでは、女性100人のうち約 14人が一生の間に乳ガンを発症するとされる。ただし、「Cancer Research UK」によると、乳ガンの約23%は「preventable (回避)できる」もの。乳ガンの約8%は「太り過ぎ (overweight and obese)」が原因で、さらに約8%がお酒の飲み過ぎに原因があると考えられている。
では、なぜ、加工肉を食べるとガンになるのか。これについては諸説ある。一説によると、ベーコンでれ、ハムであれ、肉に旨みを与ると同時に保存性を高めるために塩をたっぷりと使う。この塩が肉のタンパク質と反応して発ガン性物質をつくるともいわれる。
ただし、加工肉のリスクは「極めて小さい (very small)」とがんばる研究者もいないこともない。そこで、Dr Farvidのお薦めは、ベーコン・ハムなどの加工肉を全く食べないとまで行かなくとも、食べる量を減らすこと。
結論:データの信頼性がどうのこうのと、苦言を言う前に、「君子危うきに近寄らず」が無難だ。ベーコン・ハムやサラミは美味しいことは美味しい。しかし、ほどほどに。
(写真は添付のBBC Newsから引用)