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この世に生きる魔女:その誇りと悩み! (BBC-News, Oct 30, 2021)

Tonks Brown

 ScotlandのHighlands (ハイランド地方)の片田舎の小さな家(croft)に、その魔女は住んでいる。魔女の名は Ms Tonks Brown (36歳)。「The Isle of Mul (マル島)」に住んでいた12歳の頃、「Paganism (パガニズム)」を信じるようになった。

 

 ところが高校に入ると、「being different (変わりもの)」としてクラスメートからいじめられた。そして、学校では、むりやり「The Wee Free Church」の祈りを強いられた。

 

 しかし、Ms Tonksの心は、冷たくて、古ぼけた、大きな石造りの教会よりも、生命力に溢れた自然に強く惹かれた。人間よりも動物の方が、はるかに「enlightened beings (賢者)」のように思えた。

 

 ひるがえって、中世の歴史をひもとくと、人々(とくに教会、権力者)は、知識のある女性や産婆 (midwives)、薬草学に通じた女性 (herbalist)の力を恐れて、これを迫害し、殺害した。それも、なんとも残酷な火あぶりの刑を課して。いわゆる魔女裁判魔女狩りだ。それは、教会の権威を守り抜くため、あるいは人間の虚栄心・嫉妬心を隠すための、おぞましくも、愚かで悲惨な人類史上最悪の犯罪だった。

 

 今でも、魔女 (witches)は「怪しげな女」であり、決して人々に歓迎される女性ではない。Ms Tonksは、この偏見に立ち向かう。しかし、真っ向からの対立は避けるようにしているという。Cairn the cat and Tonks' broom

 Ms Tonksは現代に生きる魔女として、セージ、ローズマリー、タイムなどのハーブを栽培し、その葉を乾燥させては「魔除け」に使っている。葉をいぶし (smudge)て煙を焚き込め、身体と室内を清める (cleanse)。その煙の中に塩と鉄を添えると、悪魔や妖精が近づけなくなるという。

 

 そしてテーブルの上に「boline (ボーリン)」と「athame knife (アサム・ナイフ)」の 2種の「儀式用ナイフ (ritual knives)」を並べ、ローソクに火を灯(とも)して呪文 (spells)を唱える。

 

 white witches (白魔女)は、悪意 (mallicious intent)の こもった呪いの呪文は唱えない。もっぱら、「hedge witches」が使用する「The Book of Sahdows for spell recipes」に記載された呪文を唱えるとか。

 

 Ms Tonksは「この世に生きる魔女 (a real-life witch)」として誇りに思っていると語る。

A shelf in Tonks' house

おわりに:whitches (魔女)、「witchcraft (魔法)」には人の心を魅了し、引き付けて離さないものがある。これに興味がある方に、次の本を勧める。

 

・Colin Hawkins: Witches, William Collins Sons & Co. Ltd, 1985

・Korky Paul and Valerie Thomas: Winnie the Witch, Oxford University Press, 1987

・Janet and Stewart Farrar: The Witches' way - principles, Rituals and Beliefs of Modern Witchcraft, Phoenix Publishing Inc, 1988

・カレル・ポラーチュク(小野田澄子訳):魔女のむすこたち、岩波書店、2018

 

       (写真は添付のBBC Newsから引用)

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