ウイルス感染:知ってびっくり、感染予防のコツ! (RTE-News, February 10, 2020)
新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、世界中の人々がマスクを買い求めて薬局・スーパーに押し寄せた。そして、あっという間に店頭からマスクが消えてしまった。今ではロシアでさえ、ネット上で正規の値段の数十倍で売られている始末だ。
ところで、そのマスクはウイルス感染の予防に果たして効果があるのだろうか。
「Public Health England」のDr Jake Dunningによると、「outside a clinical setting( 臨床現場以外では)」マスクのウイルス感染予防効果は、ほんのごくわずか。すなわち、屋外ではマスクをしても、しなくともほとんど変わりなし。(ただし、換気の悪いバス、タクシー、電車の中や映画館などの密閉空間は別だ。)
もちろん、風邪やインフルエンザなどに罹っている人が、飛沫を放って他の人に移さないようにする効果はあるだろうが.......。ともかく、一般に市販されている簡易マスクに過剰なウイルス感染予防の効果を期待するのは危険だ。
では、どうすれば良いか。
そもそも、ウイルスの感染は、空気感染よりも、直接、ウイルスに手が触れて感染、発症することが多いという。ウイルス感染者がセキ、クシャミや鼻をかんだときに、手や衣服についたウイルスは、約24時間も生き延びることができる。その間に、お札・小銭や店頭の商品、手すり、ドア・ドアノブなどに付着し、それがさらに他人に移って、感染を広げる。
したがって、感染予防の基本は手洗いだ。しかし、身近に水と石鹸が使えないときもある。そんなときは、デパート・スーパーなどの入口に置いてあるような「hand sanitisers (携帯型消毒液)」が便利だ。なかでも、お勧めは、アルコール成分が60%以上の「alcohole-based sanitisers (アルコール系消毒液)」。その適量を手にとって、約20秒間、両手全体にまんべんなく擦りつける。とくに指の付け根に注意し、手首まで消毒しよう。これで、手に付いたほとんどの細菌・ウイルスは数秒間で死滅する。
ただし、アルコール系に過敏な人は、この消毒液で手に痒みを覚えることもあるという。そのような人は、お湯と石鹸で手を洗うようにした方が良い。
また、ウイルス感染対策として、次の点も忘れずに。
・タオル・食器類は、共有しない。(回し飲みなど以ての外)
・ドアノブなど(手の触れる機会が多い場所) は抗菌スプレーで消毒するか、またはきれに拭き取って清潔に保つ
・咳、クシャミをするときは、ハンカチ、ティッシュなどで口元を覆う
・鼻水をかんだら、ティッシュはゴミ箱に
・手は一日に何度もよく洗う
おわりに:スーパー・デパート、それに駅や病院、公共施設など人混みの多い場所は、ウイルス感染のリスクが高い。建物の出入口に設置されているアルコール消毒剤は、建物に入るとき(付着したウイルスを屋内に持ち込まないため)、そこから出るとき(ウイルスを家庭に持ち込まないため)に使用することを勧めたい。それに、自分で気づかぬうちに、何らかの細菌・ウイルスに感染している可能性もある。この時期、人混みではマスクを着用することがエチケットだ。
(写真は添付のRTE Newsから引用)