体がだるくて、動けない:慢性疲労症候群の治療に光り! (BBC-Health, September 21, 2017)
体がだるくて、その上、筋肉痛。夜、よく眠れなく、気分が晴れない。「慢性肥料症候群 (chronic fatigue syndrome, CFS)」の症状 (syndrome) だ。その症状はうつ病によく似ている。ただし、この病気の原因は、まだよく分かっていない。
"Chronic fatigue syndrome (CFS), also known as myalgic encephalomyelitis (ME), is a disabling illness that affects 1% of secondary school children in the UK, causing them to miss a day or more of school per week."
[ 慢性疲労症候群は筋痛性脳脊髄炎とも呼ばれ、障害性の病気。イギリスの中学生の1%がこの病気に悩まされ、1 週間に 1 日あるいはそれ以上学校を欠席する原因となっている。イギリス全体では約 25万人の患者がいるものと推定されている。]
原因が不明のため、治療法も十分に確立されていない。
Bristol 大学の Esther Crawley 教授らの研究チームは、「Lightning Process, LP」療法の臨床試験を実施し、その成果を医学雑誌「Journal of Archives of Disease in Childhood」に発表した。
「LP療法」は「osteopathy (整骨療法)」、「life coaching (ライフ・コーチング)」、「neurolinguistic programming (神経言語学的なプログラミング)」を組み合わせた治療法で、これまでその効果は十分に確認されて来なかった。
Crawley 教授らは、CFS に罹患した12 - 18歳の子ども 51人に対し、一般的な治療に加えて「LP 療法」も試み、一般的な治療のみの「対照グループ (control group)」と治療効果を比較した。
すると、治療開始から 6ヶ月が経過した時点で、被験者の疲れや不安が、対照グループに比べて軽減し、身体機能 (physical function) も改善した。
さらに 1 年後には、対照グループに比べて、慢性疲労症候群 CFS の症状に改善が認められ、欝 (うつ) を感じることが少なくなり、授業の出席率も上がったという。
ただし、残念ながら、なぜ「LP 療法」に CFS の治療効果があるのかは説明できない。また、この治療法が成人あるいは中学生以下の子どもにも有効であるのかについても断定できないと、Crawley 教授は語る。このため、LP 療法が現場の治療「NHS care」に適用されるためには、さらに研究が必要とのこと。
なお、これまで慢性疲労症候群CFSに対する一般的な治療法は以下のとおり。
・medication :投薬
・cognitive behavioural therapy :認知行動療法
・graded exercise therapy :負荷漸増運動療法
・activity management :活動管理
(写真は添付のBBC Newsから引用。)