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王さまの耳はロバの耳:フクロウの耳は「不老(フロウ)の耳」 (BBC-Science & Environment, September 20, 2017)

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 ギリシア神話の中で語られる「王さまの耳はロバの耳」。アポロンの怒りをかって、ロバの耳にされたミダス王は、このことを内緒にと床屋に口止めするが、言いたいことを言えない苦しみに耐えかねた床屋。野原に出かけて、穴を掘っては、その中に思いっきり「王さまの耳はロバの耳」と叫んだという話だ。

 しかし、王さまもロバも、しょせん「mammals (哺乳類)」。加齢とともに聴覚の衰えは避けられない。とくに、人間は、65歳以上になると、「高周波領域の聴力(sensibility at high frequencies)」が 30dB (デシベル) 以上も失われる。どうやら、人間は、進化の過程で、「sensory cells (感覚細胞)」の「regenerative abilities (再生能力)」を切り捨ててしまったようだ。

 ところが、「barn owls (メンフクロウ)」には、たとえ「inner ear (内耳)」に異常をきたしても、まるで傷を治すかのように修復する能力が備わっていた。つまり、メンフクロウの耳は、王さまの耳もロバの耳も及ばない、「ageless ears (不老の耳)」だった。

 このことを実験によって明らかにしたのは、Oldenburg 大学の Mr Georg Klumpらの研究グループ。研究結果は科学雑誌「Royal Society Proceedings B」に発表された。 

 メンフクロウは、夜、聴覚を頼りに獲物を狙う夜行性の鳥。自然界ではその寿命は 3,4年が普通とされる。しかし、実験では「飼育されたメンフクロウ (captive barn owls)」7 匹を使用し、その内の最高齢は 23歳だった。年齢とは無関係に、その「acute sense of hearing (鋭い聴覚)」は、まったく劣ろいを示さなかったという。

 研究者たちは、メンフクロウの「不老の耳」のメカニズムを解明し、加齢によって起こる人の難聴の治療に役立てたい考えとか。

なお、これまでの研究で、集団で飛来する「starlings (ムクドリ)」にも「不老の耳」があることが知られている。
                  (写真は添付のBBC Newsから引用。)

www.bbc.com