俺さまは、太っていても鍛えた体だ!:でも、その心臓は大丈夫? (BBC-Health, August 15, 2017)
人は「confidence (自身)」がなければ、勝負どころで力を発揮できないが、「self-conceit (うぬぼれ)」、「overconfidence (自信過剰)」は身を滅ぼしかねない。
『タバコは体に、良くないと言うが、これまでずっとタバコを吸っていても、体のどこにも悪いところはない。太り過ぎが心臓に悪いと言っても、定期的にスポーツジムに通って体を鍛えているので、健康には自信がある』などと豪語して憚 (はばか) らない人はいくらでもいる。
なるほど「fat but fit (太っているが、鍛えて強そう)」な人は、一見して「medically healthy (医学的に健康)」のように見える。しかし、医学雑誌「European Heart Journal」に掲載された研究論文によると、それは単なる見せかけ (appearance) だった。
Dr Ioanna Tzoulak iを中心とする Imperial College London と Cambridge大学の研究チームは、欧州 10ヶ国の住民 50万人以上の健康状態を 12年以上にわたって追跡調査し、そのデータを分析した。
すると、BMI 値が 25以上の過体重・肥満に分類されるグループは、「metabolically healthy (代謝的な健康)」の指標「blood pressure (血圧)」、「cholesterol (コレステロール)」、「blood sugar (血糖値)」が、たとえ基準値を越えていなくとも、正常な BMI値のグループに比べておよそ 28%も心臓病の発症リスクが高いことが明らかになった。
なお、この研究期間中に確認された心臓病の発症件数は 7,637であった。
体に脂肪を蓄えると、それだけ将来、心臓病を発症するリスクが高くなることは、これで裏付けられたことになる。BMI≧25 の人が健康そうに見えるのは、たまたま「unhealthy metabolic profile (不健全はメタボリック・プロフィール)」が基準値を越えていないだけで、後日、遅かれ早かれ (later in the timeline)、心臓発作 (heart attack)のような「medical events (医療事象)」が現われる危険性があるという。
この研究をサポートした「The British Heart Foundation (英国心臓基金)」のMetin Avikiran 教授は次のように語る。
"The take-home message here is that maintaining a healthy body weight is a key step towards maintaining a healthy heart."
[ この研究結果から覚えておいて欲しいことは、健全な体重を維持することが、健全な心臓を維持する重要な一歩であること。]
(写真は添付のBBC Newsから引用。)