ツバメが南に帰らない:「幸福な王子」の仕事が残っている? (BBC-News, September 27, 2016)
北の方角から、「クワッ クワッ」と啼いて飛来する一群の白鳥を目にしたのは、つい先日 9月 22日のこと。ずいぶんと気の早い白鳥がいたものだと驚いた。
ところが、異変は、日本から遠く離れたスコットランドでも観測されていた。
スコットランド北東の海に連なる「Shetland (シェトランド諸島)」。そこに、人口数百人が暮らす「Fair Isle (フェア島)」がある。この島にやって来る渡り鳥にも異変が起きているという。
「Fair Isle Bird Obsevatory (フェア島野鳥観測所)」で「過去 60年間の渡り鳥の生態」について研究を続けている Dr Will Miles によると、
"Environmental conditions are changing rapidly at a globas scale."
" In response to these changes, the seasonal life cycles of plants and animal are shifting too, often in dramatic and unexpected ways."
[ 自然環境は地球規模で急速に変化している。]
[ この変化に応じて、これまで季節の移り変わりで見せていた動植物のライフサイクルにもズレが生じている。それも、多くは劇的に、思いもしない方法で起こっている。]
春に、アフリカから北のスコットランドにやって来た渡り鳥は、冬が近づいても、グズグズと居座り続け、南に帰ろうとしないのだ。まさに、Oscar Wilde の「The Happy Prince (幸福な王子)」に登場するツバメ。事情を知らないと、心配してしまう。
" For examp, on Fair Island, swallows and house martins aare migrate up to a fortnight later than they did a few decade agor."
[ たとえば、ファア島では、ツバメ・イワツバメが南に渡る日を、40~50年前に比べて2週間遅らせている。]
一方で、渡り鳥「Willow warblers (キタヤナギムシクイ)」については、春にアフリカから北に向かって出立する時期を5週間早めていることが分かっている。
地球温暖化でヨーロッパが暖かくなり、渡り鳥にとっては、この地ができるだけ長く滞在したい生息地になったとも言える。
なお、研究結果の詳細は「Global Change Biology」に発表された。
(写真は添付のBBC Newsから引用。)