何ものにも屈せず、清く美しき光の塊:その名はダイヤ! (BBC-News, June 29, 2016)
空間、時間を超越した宇宙 (cosmos) が、どうして、このように美しいものを造り上げたのか、凡人には知る由もない。
純粋この上なく、氷のように透明。しかも、極めて強固で、何ものにも屈しない。まるでこの世のものとも思えない、その美しい石を、古代ギリシャ人は、征服不可能なもの「adamas (アダマス)」と呼んだ。これが、英語ではわずかに変化し「diamond」となった。
今から 25億年以上も前のこと。地球の地下深く、高温高圧の条件下で気の遠くなるような時間を掛けて、宇宙は、1 つの大きなダイヤの結晶を生成した。そして、昨年の11月、アフリカ大陸の南端に近い国「Botswana(ボツワナ)」にあって、「Lucara Diamond Corp (ルカラ・ダイアモンド会社)」が経営する「Karowe (カロウェ鉱山)」で、およそ 25億年ぶりで、その姿を現わしたのだ。
ダイア原石 (rough diamond) の大きさはテニスボールほどで、重さは 1,109 carat (221.8g)。まさに、100年に一度見つかるか、見つからないかの超特大サイズだった。
さらに、ダイヤの質 (quality) のレベルは、不純物を含まない「 IIA型」に分類される。
"Stones in this group are 'the most chemically pure and often show extraordinary optical transparency'."
[ このタイプのダイヤは,化学的に極めて純粋で、その多くは驚くほど透明だ。]
IIA型ダイヤはダイヤの中のダイヤとも言われ、発見されるダイヤの 2%以下。
Botswana (ボツワナ) の人たちは、その超大型ダイヤに親しみを込めて、母国語の「Tswana (ツワナ) 語」で「The Lesedi la Rona」と呼んだ。「Our light (私たちの光)」という意味だ。
「The Lesedi la Rona」は原石のまま、この 6月 29日 (水)に、ロンドンの西 Mayfair(メイフェア)」の国際的なオークション会社「Sotheby's (サザビーズ)」でauction (競売)にかけられたが、 競り値 (せりね) が「minimum reserve price (最低競売価格)」に達しなかったため、Diamond 会社は、当分の間、「私たちの光」を手元に置くことにしたという。ちなみに、その価格は少なく見積もって72億円。
なお、イギリス王冠 (British Crown) を飾る大きなダイヤ「Cullnan Ⅰ(カリナンⅠ)」、「Koh-i-Noor (コ・イ・ヌール)」も「Type IIA diamond」として知られている。
(写真は添付のBBC News およびCBCnews から引用。)