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タツノオトシゴ (海馬):宇宙の力の象徴 (記憶の本質) (BBC-News, April 11, 2016)

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 海の中で、小さいながらも、これほど威厳を感じる生物はいない。昔の人は、上手に名前をつけたものだ。これは竜 (dragons) の子どもに違いないと。タツノオトシゴは、背筋を伸ばし、前をしっかりと見つめて、ゆっくりと動く。ヨーロッパでは、宇宙の力と、泡だつ海の膨張を表わすシンボルとされた。また、その姿に人々が神秘的な魔力を感じ、色々な薬の材料に使われたとも伝えられる。

 タツノオトシゴは「海馬 (かいば、うみうま)」とも呼ばれ、英語でも、これを直訳したように「seahorse」と言う。一般に、熱帯から温帯の浅い海に生息するが、このほど、イングランド南海岸の都市「Bournemouth (ボーンマス)」沖で、とんがり口が少し短い「short-snouted seahorses」50 匹の生息が確認された。「absolutely incredible (まったく信じがたい)」発見と記事は伝える。
 なお、昨年は、この近くの「Dorset (ドーセット)」沖でも、同種のタツノオトシゴ 20匹が発見されている。

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 さらに、「Studland Bay (スタッドランド湾)」の、海草が生い茂る「藻場 (seagrass beds)」では、体中に突起を生やした「spiny seahorse (イバラタツ)」が発見されている。最近になって、このように、生まれて 6 ヶ月ほどの「若いタツノオトシゴ (sub-adult or juveniles)」が次々と見つかっているのは、海岸に停泊する船が「環境に優しい係留 (Environmentally friendly moorings)」を採用し始めたことに関係がある。
 これまでの係留では、碇と船を結ぶのに「chains」が使用されてきた。これでは海底の藻場が引っ掻き回されてしまう。このため、環境保護団は、船の所有者に碇のチェーンを「bungee-type rope」に変えるようにと、説得を続けて来たという。

 なお、イングランド南部の海域におけるタツノオトシゴは、「野生生物・カントリサイド法1981 (The Wildlife and Countryside Act 1981)」によって、一応は保護されている。
 2013年、「Dorset Wildlife Trust (ドーセット野生生物トラスト)」は、従来型係留をStudland 沖で規制するようにと、海洋規定の改正案を提出したが、「海洋管理機構 (The Marin Management Organisation, MMO)」の反対で、法案の審議は棚上げになったまま。
 この件に関し、MMO 側は BBC に対してコメントを躊躇しているそうだ。

 さて、話しは変わるが、人間の脳の底部に、記憶や空間認識に関わる器官が存在する。その形がタツノオトシゴと良く似ているため、「海馬 (hippocampus)」と呼ばれる。ただし、この海馬は、脳の中では寝そべった状態で、記憶力を発揮しているとか。
                  
                            (写真は添付のBBC Newsから引用)

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