イギリスを夜な夜な襲う奇妙なうなり:あれはUFOか? (BBC-Magazine, January 19, 2016)
その音は、イギリス南西部の港湾都市「Bristo l(ブリストル)」で始まった。今から約40 年以上前の1970 年代のことだ。何とも奇妙な現象が起こる。低く唸るような、うめくような音が聞こえだしたのだ。
専門家 (experts) と称する科学者が、何人もその解明に挑戦した。ある者は、工場からの騒音 (factory noise) と言い、送電鉄塔 (electricity pylons) とも、耳鳴り( tinnitus) が原因とも言われ、果ては、Bristol 上空に飛来し、ホバリングしている UFO (flying saucers) の説や、秘密の軍事活動 (military activity) の説まで飛び出した。
しかし、不思議なことに、ある日、ぱたりとその音は止んだ。そして、時が過ぎた。
ところが、Hampshire (ハンプシャー州)の Hythe (ハイズ) や Leeds、Scotland のLargs、Manchester など、イギリスの他の地でも、次々と同様の現象が発生し、住民からの苦情が絶えない状況となって、「なぞのうなり (hum)」探しに、再び火が付いた。
昨年、フランス「The Centre National de la Recherche Scientifique (国立科学研究センター)」の研究チームは、40 年来の「難問 (conundrum)」の解明に成功したと発表した。それは、大洋底 (ocean floor) が連続波を発生させ、それがうなりを生み出しているとするものだ。しかし、なぞは深まるばかり。この説明でも、なぜ、ある特定の地域、それも一定期間だけ、うなりが発生するのか、疑問が残る。
大難問となった奇妙な「うなり」現象。これに対して、専門家は回答をひねり出す。
・ごくありふれた (mundane) 交通の騒音 (traffic noise) じゃないか。
・いや、うなりを訴える住民の割合は 2 %だ。これは耳鳴りが原因なのでは。
・いや、いや、どれも間違い。あれは、「北大西洋 (North Atlantic)」の「sonic fish (ソニック・フィッシュ)」の鳴き声だよ。
まだ、「幽霊船 (phantom ships)」説は出ていないようだ。
(写真は添付のBBC Newsから引用)