ヒロシのWorld NEWS

世界のニュースを日本語でお届け!

騒音は野生生物の生態を狂わせる!:さて、人間ではどうか? (BBC-News, Feb 3, 2021)

Zebra finch

 不法投棄の生ゴミの悪臭も耐え難いが、それにも増して耐え難いのは「騒音」だ。騒音規制法、騒音防止条例もあることはある。しかし、環境保全を司(つかさど)る行政・警察は、ささいなルール違反や交通法規違反には目くじらを立てて、取締に疾走するが、騒音(公害)問題となると、態度が一変する。途端に聴覚に異常を来たし、住民の声を聞こうとしない。

 

 人間でさえ、住宅周囲の騒音に辟易(へきえき)し、耐え難い我慢を強いられているのに、人間の聴力よりも数倍優れた聴力の持ち主のイヌやその他の野生生物の苦渋は、いかほどのことだろうか。

 

 Pacific大学 Christopher Templeton教授らの研究チームは、交通騒音(traffic noise)が小鳥の生態にどのような影響を与えているのかについて、実験的に調査し、その結果を科学雑誌「Proceedings of the Royal Society B:  Biological Sciences」に発表した。

 

 Templeton教授らは、実験室で「zebra finches (キンカチョウ)」を飼育し、クルマの騒音を聞かせたときと、静穏な環境時のときの、エサを探す小鳥の動作・能力の違いを観察した。

 すると、驚いたことに、やかましいクルマの音が響くときは、エサを探す その小鳥の能力が低下した。

Robin (c) Victoria Gill

 クルマの騒音に限らず、人間がつくりだす騒音 (human-made nosise)、すなわち「anthropologenic noise」が、多くの野生生物に悪影響を及ぼしていることは明らかだ。

 ある研究結果によると、「crickets (コオロギ)」は、クルマの騒音下で、オスの「curtship songs (求愛ソング)」を聞き分けることができないという。

 

 いかに、生物には、環境変化に適応する能力が備わっているとは言え、これでは、人間を含め、野生生物にとって、騒音が快い音楽に聞こえるようにでも体自体が進化しない限り、生態が狂い、ホルモン・バランスが狂い、免疫システムが冒されて、絶滅・滅亡に拍車が掛かるだけだ。

 

おわりに:ちょっと一息。「finch (フィンチ)」はアトリ科の小鳥の総称。その仲間はスズメよりも一回り大きく、短くて頑丈 (ときにカラフル) なクチバシが特徴だ。日本では、春先にやってくる「イカル」、「ウソ」がその仲間。姿も鳴き声もきれいだ。

 

   (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com