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バファリン(アスピリン)免疫療法:がん細胞を叩きのめす (BBC-Health, September 4, 2015

http://ichef-1.bbci.co.uk/news/736/cpsprodpb/14E50/production/_85348558_thinkstockphotos-56570550.jpg

 がん細胞(cancer cells)は、免疫システム(immune system)から逃れる「隠し技」を持っている。この「技」を封じ込め、がん細胞を叩きのめす方法が見つかった。
     
 その「隠し技」に対する「逆技」は、実は至って簡単な所にあった。市販の解熱鎮痛剤「バファリンA」の有効成分「アスピリン(Aspirin)」、別名「アセチルサリチル酸」だ。その効能は、「かぜ薬」として服用し、誰もが知っている。しかし、このアスピリンにはガン発症の初期段階で、その進行をくい止める働きがありそうだとも言われて来た。

 イギリスの「フランシス・クリック研究所(Francis Crick Institute)」はマウスを使った動物実験で、アスピリンの効能を改めて調べた結果、「最先端免疫細胞療法(cutting-edge cancer medicines)」の効果を高めることが立証された。研究内容の詳細は医学誌「Cell」に記載されている。

 皮膚、乳腺、大腸各部のがん細胞は、生理活性物質の一種「プロスタグラジン(prostaglandin)E2」を高いレベルで生成し、体の「免疫反応(immune response)」を抑えて、免疫細胞の攻撃から逃れるという、巧妙な戦略で増殖する。
 ところが、アスピリンはがん細胞に働いて、そのプロスタグラジンE2の生成「化学経路(chemical pathways)を変えてしまい、がん細胞を無防備の状態にすることがわかったのだ。これで、免疫システムは、がん細胞を叩きのめすことができる。

 免疫力を高めてガンの根治を図る「免疫療法(immunotherapy)」は、今、最も期待されて、研究が進められているガン治療法の一つ。これを「末期ガン(terminal cancers)」に適用したところ、ガンが縮小し、まれに完全に消滅した事例もあるという。

 今後、アスピリンを併用した免疫療法が開発されるならば、ガン治療効果は飛躍的に改善することが期待される。
 
 早く、ガン(cancers)という言葉が、辞書にも載らない「死語(passé word)」になって欲しいものだ。
                              (写真は添付のBBC Newsから引用)

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