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新型コロナ:ミドルズブラの、ボロボロの若ものと貧困民を襲う! (BBC-News, April 24, 2020)

Padlock on gate

 新型ウイルスコロナ感染は、Englandとて容赦しない。連日、数百人の命を奪っている。

 その Englandで最も感染死亡率が高い地区は、England北部「North Yorkshire」の東海岸に面した「MIddlesbrough (ミドルズブラ)」。人口約14万人の、この都市は、1980年代まで、製鉄業を中心にした重工業で栄えていたが、その後、急速に衰退の一途をたどり、現在、この地区の

・失業率は高く

・子どもの約40%が貧困生活を余儀なくされ

・16歳の子どもの、GCSEs試験5科目の合格率は約50%

・年間収入は全国平均の約 3/4 (約£24,000 [約320万円])

・住民の多くは、背中合わせの長屋形式集合住宅「テラス・ハウス」に住んでいる

BBC

 したがって、政府が「socila distancing」だ、「公園封鎖」だと呼び掛けても、密集した集合住宅で、しかも、ほとんどの住民が、「hand-to-mouth (その日暮らし)」で生き延びている地区にとっては、とても無理な注文となる。

 さらに、平均寿命は47歳そこそこ。若ものは大抵、ガン、呼吸器・心臓疾患を患っている。免疫力の弱った人は、真っ先にコロナに感染し、また重症化しやすいという。

 Walesを除いて、イングランドでは最貧地区Middlesbroughの感染者数は、4月21日現在で407人 (人口1万人当たり290人)、死亡者は141人に達する。ただし、この数値には、介護施設 (care homes)や自宅・旅行先で死亡した人は含まない。

 (なお、介護施設のコロナ感染死亡者数は、病院死亡者数を上回ることが判明, BBC:April 29,2020)

 貧困とコロナ感染とが密接に関連していることは明らかと、Dr Paul Williamは嘆く。

                              (写真は添付のBBC Newsから引用)

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車の走らないScotland道路:サイクリングで走れ! (BBC-News, April 13, 2020)

cyclists

 Scotlandでも、先月の 3月23日から「lockdown (都市封鎖)」が始まり、外出制限が続く。マイカーの運転は自粛を受け、電車もバスも本数が減った。

 路上を走る車の数は 1/3に減少し、人々の外出件数も、外出制限前の 1日平均2.7件から、制限後には平均0.9件に落ちた。こうして、主要都市の道路はどこも閑散となった。

 そんな中で、街で目につくようになったものがあるという。それは「cycling」。

 「Transport Scotland (スコットランド自治政府の運輸機関)」によって創設された「Cycle Scotland」の調査によると、Scotland中部の都市「Dunfermine (ダンファームリン)」、「Newton Mearns (ニュートン・マ−ンズ)」、「Dundee(ダンディ−)」では、サイクリング利用者数が、いずれも、昨年の 3月時期に比べて約 2倍以上に伸びた。 

 「Cycle Scotland」は、2017年から、Scotlandの主な主要都市の路上60ヶ所に、サイクリング走行カウンター (圧電素子)を設置し、サイクリングの利用状況をモニタリングして来た。

 その最高責任者 Mr Keith Irvingは、この調査データには、サイクリングが、「social distancing」を兼ねた運動、移動手段として見直されている背景があると見る。

 一方、Ms Kirsty Cliftは、Bishopbriggs (ビショプブリッグス)に住む介護士。都市閉鎖後、職場への通勤に「borrowed electric bikes (貸し電動自転車)」を利用し始めた一人だ。

 これまで、Glasgowの道路には車が溢れ、サイクリングなどは危険と隣合わせと思っていた。それが、閑散となった街中を自転車で走る爽快感に、今は夢中。風と一体となる喜びに包まれて、気分は最高。エネルギーが湧いてきて、積極的になれるという。

                                 (写真は添付のBBC Newsから引用)

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ネアンデルタール人の知能レベル:現生人類とほぼ同じだった! (BBC-News, April 13, 2020)

Handout photo issued by M-H Moncel/Histoire Naturelle de l'Homme Préhistorique showing a cord fragment discovered at the Abri du Maras archaeological site in France taken using digital microscopy

 初期原人の進化の過程で、ホモ・サピエンスとは違った道をたどった「ネアンデルタール人 (Neanderthals)」。現生人類 (modern humans)よりも骨格が発達し、遠型動物の狩りの技術にたけ、火を巧みに操った。仲間が死ぬと、その死体を丁重に地下に埋葬したという。

 しかし、なぜか、およそ40,000年前に絶滅してしまう。生き残った人類とネアンデルタール人との違いは、その認知能力、すなわち人類の頭の良さにあるとされて来た。

 ところが、本当にそうだったのか。

 フランス「Abri de Maras (アブ・ドゥ・マラス)」のネアンデルタール人の遺跡から、かれらの優れた知的レベルを示す、とんでもないものが発見された。

Handout photo issued by M-H Moncel/Histoire Naturelle de l'Homme Préhistorique showing the Abri du Maras archaeological site in France

 それは、52,000 -41,000年前の地層に埋もれて発見された、長さ6.2mm、幅0.5mmの「cord (紐)」の端くれ。腐ることもなく、石器 (長さ:60mm)の裏面にへばり付いていた。「scanning electron micrograph (走査型電子顕微鏡)」で覗くと、その紐(ひも)は、針葉樹 (conifer trees)の樹皮、それも柔らかくて加工に適した内樹皮 (inner bark)の繊維を細かく割き、これを3本撚り (three-ply cord)にしたものだった。

 「3本撚(よ)り」の編み方は、組紐と基本的に同じ。繊維の束(たば)を 3本に分け、そのうちの 1本をモトスとし、他の 2本は撚(よ)り糸とする。次に、撚り糸の1本を時計方向に (S字型に)捻り、モトスに反時計回りに (Z字型に)に絡ませる。他の撚り糸にについても同様に、撚りと絡ませの動作を繰り返す方法だ。

 この3本撚りの紐の作製には、数学的な「pair (付)」、「sets (組)」、「numbers (数)」の概念が必要だったはずだ。それに、細かい複雑な動作を連続的に進める手仕事になる。このことから、ネアンデルタール人の認知能力は現生人類とほとんど変わらなかったと考えられるという。

 繊維の 3本撚りができれば、その丈夫な紐(あるいは綱)を使って衣類、バッグを作ることができる。それに作ろうと思えばボートさえ作れなくはない。

 なお、この研究は、フランス、US、Spainの合同研究として実施されたものでああり、その成果は科学雑誌「Scientific Reports」に発表された。

                                        (写真は添付のBBC Newsから引用)

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イジメに合うCorona(コロナ)君への手紙:トム・ハンクスから (BBC-News, April 24, 2020)

Actor Tom Hanks at an event

 一通の手紙が、AustraliaからUSの名優 Tom Hanks (トム・ハンクス)のもとに届いた。差出人は Corona de Vries (コロナ・デ・ヴィリース)君、8歳。

「あなたとあなたの奥さんが新型コロナウイルスに感染したと聞きました。今はだいじょうぶですか。」

 そして、

「コロナという自分の名前が好きなんだけど、学校では、みんなから「コロナウイルス」と呼ばれ(いじめられ)ています。みんなに、そんなふうに呼ばれると、とても悲しくて、腹がたちます。」

 

  すると、Tom Hanksは返信の手紙に、こう書いた。

「親愛なる友のコロナ君へ」

「手紙をもらって、私の妻も私も、とても嬉しく思いました。君のようなすばらしい友だちができるなんて、ありがとう。友だちは、友だちが沈み込んでいるときに励ましてくれるものだ。」

   続けて、

「You are the only person I’ve ever known to have the name Corona - like the ring around the sun, a crown.”

[ 君は、これまで思いもよらなかった、ただ一人のコロナという名前の友だち。そう、太陽の周りのリング、コロナ(光冠)のようなコロナ君だ。]

 そして、この手紙と一緒に「Corona」社製のタイプライターをコロナくんに送った。それは、Tom Hanksが「Gold Coast」のホテルで自己隔離(quarantine)している間中、ずうと使い続けていたものだった。 

 Tom Hanksの手紙には

「このタイプライターは、君にふさわしいと思った。私は、これをGold Coastに持ち込ん(で、またUSに持ち帰っ)たが、今は、君のところに返す。使い方をおとなの人に聞いて、これで私に手紙を書いてね。」

手紙の最後には、Tom Hanksの自筆で、本人が出演した人気アニメ映画「The Toy Story」の主題歌が書き込まれていた。

” PS! You got a friend in ME!”

  [追伸:君はともだち]

                             (写真は添付のBBC Newsから引用)

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コロナのDNA、ヒト細胞のDNA:どちらにも重症化のカギが! (BBC-Health, April 14, 2020)

Image of coronavirus

 インフルエンザ、ヘルペス、新型コロナなどに感染しても、症状が現われない人もいれば、重症化する人もいる。

 新型コロナ感染については、感染者の 5人に 1人が重症化し、死亡率は推定 0.5 − 1%。(ただし、この数値は国ごとによって違うため、注意が必要。)

 そもそも、新型コロナウイルスは、直径 0.1 - 0.2 μmの球形で、表面に多数のスパイク (突起)が付いている。そのスパイク・タンパク質がヒト細胞の酵素「ACE2 (Angiotension Converting Enzyme 2)」受容体に結合し、ヒト細胞内に侵入、感染すると考えられている。

 このため、コロナ感染の重症化は、ACE2遺伝子の違いに関係している公算が大きい。これまで、「inborn errors of immunity (免疫力の先天異常、免疫不全」があると、特定の感染ウイルスに対して極めて脆弱であることが知られている。

DNA

 さらに、「新型コロナウイルス株 (coronavirus strains)」自体も、ヒトからヒトへと感染を繰り返している間に、DNA変異を起こしている可能性が高い。中国武漢から逃げ出したウイルスが、日本、ヨーロッパ、UK、USなどに渡って、その感染力をより「強力 (aggressive )」なものに変化させているとも考えられるという。

 Oxford大学の Rory Collins教授らは、ボランテイア50万人のDNA・医療カルテに、「新型コロナ感染データを加えて、「UK Biobank」を構築した。今後、このデータバンクが内蔵する膨大な情報データを分析することによって「特定ウイルスの感染重症化」のなぞに迫る。

 新型コロナ感染の重症化は、必ずしも高齢者に限られるわけではなかった。コロナ感染と一口で言っても、その症状の「severity (重症度)」は、「ヒトゲノム」のリスク・スコアや DNA異常、さらにはコロナウイルスの DNA変異が関与している可能性が高い。 

                           (写真は添付のBBC Newsから引用)

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「はしか」大流行の恐れ:新型コロナの影に隠れた暴れもの! (BBC-Health, April 14, 2020)

Child with measles

 新型コロナウイルスは多くの人命を奪い、世界の経済をズタズタにした。けれども、感染性ウイルスは、新型コロナだけに限らない。インフルエンザに「measles (はしか)」を引き起こすウイルスも、人類にとって強敵であり、脅威であることに変わりはない。

 とくに「はしか (measles)」の感染力は、インフルエンザの約10。マスクや手洗いも、この感染性ウイルスには、ほとんど役に立たない。

 すでに、この数ヶ月の間に、新型コロナ感染の「pandemic (世界的大流行)」によって、都市機能、教育システム、経済流通システム、そして医療システムまでも大混乱に陥り、一部は、ほとんど「崩壊」と呼べるレベルまでに達した。

 しかし、世界中が、この新型コロナ感染対策に追われっぱなしで、他の感染症の対応を疎(おろそ)かにすると、すぐに、その「しっぺ返し (tit for tat)」を受ける恐れがあるという。

 これまでも、「mumps (おたふく風邪)」、「measles (はしか)」、「rubella (風疹)」の「3種混合ワクチン (MMR vaccine)」の接種率が低いヨーロッパの国では、何度も、深刻な「はしかの大流行」を起こして来た。

 UKでは、子どもに対する 3種混合ワクチンは無料だ。しかし、第1期のワクチン接種率は95%に達しても、第2期になると接種率が87.4%に低がってしまうという。

 「はしか」は、大人になって感染、発症すると、重症化することが多く、死亡することさえある恐ろしい感染症だ。ワクチン接種を、受けるべきときに、まともに受けなかった約13%の大人。そこに、将来、社会に大打撃を与えるリスクが潜(ひそ)む。

 日本のみならず、世界の政治・経済を動かすUK、US、独・仏・伊・露、Spainに Canada。どの国も、今、危機的な状況に置かれている。だからこそ、第2、第3の敵 (感染症)に備えた準備を怠ってはならない。

おわりに:世の中には、目に見えない敵はいくらでもいる。とくに、病原菌、感染ウイルスを侮(あなど)ってはならない。

                                  (写真は添付のBBC Newsから引用)

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約10,000年前、カボチャを耕作:それはアマゾンの民だった! (BBC-Science & Environment, April 8, 2020)

forest islands

 今からおよそ12,000年前、それまで、地球全体をすっぽり覆っていた氷が、徐々に融け始めた。しだいに気温が上がって、その最終氷河期を生き延びた人類は、狩猟採集から農耕へと生活の基盤を変え、やがて「civilisation (文明)」を興すようになる。

  これまで、農耕の発祥の地と言えば、以下の 4生産地とされて来た。

・中東:大麦、ライ麦

・中央アメリカ・メキシコ:トウモロコシ

・南米アンデス地帯:ジャガイモ、キノア

・中国:米

 ところが、スイス Bern大学の Dr Umberto Lombardoらの研究チームは、アマゾン熱帯雨林の中にも、農耕の発祥の地があったと「Nature」に発表した。

 その地はボリビア北部に位置する「Llanos de Moxos (リャノス・デ・モホス)」。この一帯は、雨季になると水没するサバンナ地域だ。しかし、所々に、木々に覆われた小山が点在する。その数約4,700ヶ。 

 Dr Lombardoらが、その小山から採取した土壌サンプルを詳細に調べ、約10,000年前、すでに、キャッサバ、カボチャ、トウモロコシなどが、先住民によって栽培されていた事実を突き止めた。

phytoliths

 その決め手(証拠)となったのは、植物細胞に含まれる微細なガラス質の「phytoliths (フィトリシス、プラント・オパール)」。この植物珪酸体は、植物の種類によって、形が異なり、しかも腐敗することはない。植物種の同定に使用されることが多い。

 アマゾン川流域の先住民は、氷河期が終わると、何世代にもわたって、洪水に見舞われても作物が無事な、その小山を創り上げ、耕作を続けて来たと考えられるという。先住民にとって、その小山 (small mounds)は、「rubbish (生ゴミ、糞尿)」捨て場であり、耕作地でもあった。 

 江戸時代、江戸の各長屋から排出される「人糞」は、近辺の百姓にとって、貴重な「下肥(しもごえ)」だったことから、アマゾンの先住民の知恵は、十分に納得できる。 

                                 (写真は添付のBBC Newsから引用)

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