人類にとって最初で最強、最大のベスト・フレンド:ワン君! (RTE-News, June 14, 2020)
人間は犬をけなし、卑しいものの名に、勝手に犬 (dogs)を冠して(くっつけて)、犬侍、犬死、「dog roses (野バラ)」、「dog violets (スミレの一種)」などと、そのものをけなし、あげくのはてに、「犬畜生」と罵(ののし)る。
しかし、犬にしてみれば、「人間なんぞに、言われたくない」。
「愛 (love)」、「愛情 (affection)」、「向社会性 (prosocial)」とは、いずれも他人に対する献身、思いやり、大切に思う心 (mind)のことだ。
ワン君 (dogs)は、むやみやたらと仲間や動物に噛みついたり、殺したりはしない。また、決して、苦しい生活をしている老人を騙(だま)して、そのタンス預金を巻き上げたりはしない。
ワン君は、人間を信頼し切っている。飼い主がクマなどに襲われて窮地に立たされると、マタギの犬がそうであるように、死を厭(いと)わず、敵に対して勇敢に立ち向かう。これほど、人間を愛し、人間を大切に思う動物は、他にいない。
RTEは、以下に、ワン君の知られざる側面の 8項目を紹介する。
1.Dogs can be genuinely selfless:ワン君の無私無欲は本物
USのユーモア作家Josh Billings (ジョッシュ・ビリングス [1818 -1885])が言った言葉だ。
『この地球上で、自分自身を愛するよりも、深く愛することができるものは一つだけ。それはワン君。』
なんと、Mr Billingsの妻でも、その子どもでもなかった。ワン君だけが恩義を忘れず、信頼・信義、友情、愛、期待を裏切らないということか.........。
飼い主の思いやりの心には、忠実に、命懸けで応えようとする。
2.Their noses work up to 100,000 times better than ours:嗅覚は人間の10万倍
麻薬犯罪、失踪事件の捜査に、ワン君は欠かせない。その「nasal receptors (嗅覚受容体)」の感度は、人間の1万 -10万倍。なんと 1ppm (百万分の1)の、そのまた百万分の1に当たる 1ppt (1兆分の1)の匂い分子を嗅ぎ分けることができる。
なかでも、「bloodhound (ブラッド・ハウンド)」種は、最強の鼻の持ち主として知られている。
3.Dogs were the first animals ever domesticated
狼が「ヒト族 (Homo)」の周りに棲み着くようになり、やがて、共に生きる道を選択し、進化の過程で、狼と犬が別れた。人類にとって、犬は最初の家畜だった。はるか遠い遠い昔のことだ。だから、人類と犬との友情は、筋金入り。どんな家畜、動物、ときには恋人だって、その強い絆(きずな)に敵わない。
4.Dogs have three eyelids1:3つのまぶたを持つ
ワン君のまぶた (eyelids)には、眼を乾燥や埃(ほこり)から保護するために、第3のまぶたと呼ばれるピンク色の「nictitating membrance (瞬膜)」がある。そこに異常が現われたら、獣医 (vets)の診断が必要。
5.A single rescue dog saved 40 people back in the 1880s:1匹で40人を救助
スイスのアルプス山脈の麓「サン・ベルエール修道院」で飼われていた山岳救助犬「セント・バーナード」種のBarry (バリー [1800 -1814])は、その生涯で40人以上の命を救った。それほど、人間に対する「愛情 (affection)」に溢れていた。
現在、フランスの「ベルン自然史博物館」に、その剥製が保存、展示されている。
6.Dogs went into space before people did:地球を周回した最初の動物
今から63年前の1957年、ソ連の人工衛星「Sputonic 2 (スプートニク2号)」に乗り込んで、高度10,000mの「Karman Line (カルマン・ライン)」を超えて宇宙空間に入り、さらに地球を周回したのは、モスクワの街外れから連れて来られたメスの雑種犬「Laika (ライカ)」だった。
ただし、悲しいことに、当時のソ連は、人工衛星を大気圏に安全、確実に再突入させる技術を持ち合わせていなかった。当初から Laikaが「生きて帰還できるとは考えられていなかった」という。
7.Dogs are about as clever as a toddler:賢(かしこ)さは子どもと同じ
カラスがいくら賢いと言っても、ワン君の頭の良さにはかなわない。普通のワン君でも150の単語を覚えることができる。これは、およそ 2歳児の能力に匹敵する。
なお、最も頭のいいワン君は、牧羊犬の「border collies (ボーダー・コリー)」種。「super dogs (天才犬)」の異名も納得。人間の話す250語を理解できるという。これではもう、英単語の聞き取り能力に関しては、日本の大学の学生に勝ち目がない。
8.Dogs can be mind-bogglingly loyal:忠実さは気が遠くなるほど
日本人にとって、この項目は、ほとんど説明不要。東京渋谷の「忠犬ハチ公」のことだ。1925年 (大正14年)、飼い主が突然「brain haemorrhage (脳出血)」で帰らぬ人になった。それにもかかわらず、ハチ公は、毎晩、飼い主が帰宅する時間に、渋谷駅に迎えに出ては、飼い主を待った。毎晩、毎晩、それは 10年も続いたという。
ハチ公の「人を思う本当の心」を知ってか、知らずか、今では、若もの達の待ち合わせ、デート・スポットとして国際的に知られるようになった。
なお、古代ギリシアの詩人ホメーロスが書いた長編叙事詩「オデュセイア」では、イケヤの王で、英雄「オデュセウス」が飼っていた愛犬「Argos (アルゴス)」は、主人の帰りを 20年間待ち続けたとある。
(写真は添付のRTE Newsから引用)