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病魔から逃れるコツ:血圧測定と血液検査で病気を予防! (BBC-Health, Feb 14, 2019)

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 孫子の「兵法」に、戦いに勝つためには、敵を知ることとある。病魔に打ち勝つためには、病魔のクセを知ることが必要だ。
 しかし、毎日の仕事に追われて、あるいは思い上がった気持ちに浮かれて、他人の幸せや自分の体のことにさえ思いを馳せる余裕を見失い、「心ここにあらず」の人は世の中に結構少なくない。
 病魔は、このような人を狙っている。

 病魔に取り憑かれると、ある日、体が耐えきれなくなって、悲鳴を上げる。そこで慌てて病院に駆けつけると、飲まなくてもいい薬を無理やり飲まされ、あるいは病室のベッドで点滴を受ける破目になる。

 病魔は性悪だ。決して、その姿を見せようとはしない。けれども、その攻撃にはクセがある。血圧を高くし、コレステロール値を上げてから、一気に以下の病気を発症させる。

・heart attack:心臓発作
・heart failure:心不全
・stroke:脳卒中
・kidney disease:腎疾患
・arterial disease:動脈疾患
・vascular dementia:血管性認知症

 だから、血圧とコレステロール値さえ知っていれば、隠れた病魔のようすが、おおよそ分かるというもの。ところが、ほとんどの人が、このことに気づいていない。定期健康診断、少なくとも血液検査を受けて、安静時の血圧値やコレステロール値を把握することが大切なのだ。
 健康とされる基準値は、以下のとおり。

1.Blood pressure:血圧値
・正常:90/60mmHg―120/80mmHg
・高め:140/90mmHg以上 

2.Cholesterol:コレステロール(正常値)
・総コレステロール:5mmol/L (190mg/dl)以下
・LDLコレステロール:3mmol/L (120mg/dl)以下
HDLコレステロール:1mmol/L (30mg/dl)以上

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 なお、コレステロールは、血液中でlipoprotein (リポタンパク質)とゲル状の塊をつくって血流で運ばれる。LDLコレステロール(悪玉)が過剰になると、動脈の内壁に付着し、血管を狭くする。その結果、心臓・脳、その他の臓器への血液の流れが悪くなる。
 NHS (国民保健サービス)によると、コレステロール値を高くしている原因は以下の5項目。

・A unhealthy diet:不健全な食生活 (とくに飽和脂肪酸の摂り過ぎ)
・Smoking:タバコ (毒性分子acrolein[アクロレイン]はHDL cholesterolの働きを阻害)
・Having diabetes:糖尿病
・High blood pressure:高血圧
・Having a family history:心臓疾患、脳卒中の家系

 本人が高血圧に気づかないで生活している人は、イギリスだけでも推定500万人。とくに、貧困地域で、心臓発作、脳卒中などの「Cardiovascular disease (心循環器系疾患CVD)」の発症リスクが高い。

 Liverpool在住の Mr Keith Wilsonは37歳のとき、突然 (out of the blue)、心臓発作に襲われた。それまで、体のどこにも異常を感じていなかったので、自分が病気だとは思いもよらなかったという。
 父親が、60歳後半になって心臓疾患で亡くなったので、心臓疾患は高齢者の病気であり、自分が罹るなどとは考えつかなかった。若いことに「complacent (うぬぼれ)」ていたのだ。

そして、2度目の心臓発作が襲う。その後の3-4年間、入退院を余儀なくされる。仕事は辞めざるを得なくなり、家族、息子にも迷惑を掛けた。
 タバコはきっぱりやめた。現在、Mr Wilsonは60歳。健康に十分注意するようになり、お酒の量にも運動にも気をつけた生活を送っている。

                   (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com