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2人に1人が「心の病」:Englandの職場に蔓延 (BBC-Health, September 11, 2018)

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 切り傷、擦り傷は1週間もすれば完治する。しかし、心に受けた傷は、そうは行かない。時として、回復するどころか、症状がだんだん悪化し、仕事をやめざるを得なくなることも。
 英国メンタルヘルス・チャリティ団体「Mind」が、England在住の 4,400人を対象に実施した労働環境調査によると、職場で働く人の約50%が「stress(ストレス)」、「anxiety (不安障害)」、「low mood(気分の落ち込み)」などの「心の病(mental health problems)」を抱えていた。

 Englandでは毎年約30万人が、この「心の病」に耐え切れず、職場を去っているという。職場で蔓延する「心の病」には、周りの同僚 (colleagues)の気遣いもさることながら、とにかく、職場の直属の上司 (managers) の迅速かつ適切な対応・配慮が欠かせない。
 しかし、「The Institute of Directors (重役・取締役協会)」の調査によると、職場の上司(課長などの管理職)に対して「メンタルヘルスの研修」を実施している会社は20%以下だ。

 さて、北西イングランドの都市 Salfordに住む Ms Natalie Hunt (34歳)が、はじめてデパートに職を得たのは 18歳のときだった。職場の部署は、お客のサービス係。毎日、お客の苦情と商品に関する質問攻めに遭い、不安障害とうつ病に罹ってしまった。 
 人前に出るのがだんだん億劫(おっくう)になり、また、引きこもりがちにもなって、自分がいつか職場で「panic attacks (パニック発作)」を起こすのではと、思い悩んだ。
 一般に、「心の病」を抱えている人は、「不安 (fear)」、「恥ずかしさ (shame)」、「仕事の不安定さ (job insecurity)」から、他人には、そのことを隠す傾向にあるとされる。

 しかし、同僚も、やがて、Ms Huntが隠していた症状に気づきはじめ、職場のボスも一言(ひとこと)文句を言うはめになった。
 けれど、ボスは「心の病」については全く理解できず、何をすれば良いかも分からなかった。結局、Ms Huntは何のケア・サポートも得られず、デパートの職場を辞めることになる。
 「Mind」の調査の結果、重い責任を負わされた上に、直属の上司との人間関係がうまく行かなくなって、従業員は「心の病」に追い込まれ、続いて、同僚との人間関係にも躓(つまづ)いて、職場を去るケースが多いことが分かったという。

 どうやら、日本に限らず、UKでも「職場の人間関係」、「パワハラ・セクハラ」、「心の病」は、誰もが真剣に取り組もうとしない項目のようだ。人類は、他人を思いやる心を進化させることができなかったのだ。

 

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