小犬のペットにチョコは禁物:チョコレート中毒で死ぬことも! (BBC-Science & Environment, December 21, 2017)
カカオの学名は「Theobroma cacao」。「神の食べものカカオ」の意だ。「theology (神学)」のように、英単語に「prefix (接頭辞)」の「theo-」が付くと、「神」を表わす。
カカオ豆には、「神の食べもの」に由来する「theobromine (テオブロミン)」が含まれる。
ギリシア語の「神 (theos)」は、カカオから作ったチョコレートを人間が食べることについては寛大だが、イヌに対しては厳しく、ときに冷酷な罰を与える。小犬が少しでもチョコを食べると、それに含まれるテオブロミンが作用し,「chocolate intoxication (チョコレート中毒)」を引き起こすのだ。これは、「vomiting (嘔吐)」から始まり、心拍数の増加、興奮 (agitation)、発作 (seizure) の症状と続き、まれに死に至ることもある。
Liverpool大学で「veterinary epidemiology (獣医疫学)」専門の Dr Philip Jones によると、ペットのワン君 (puppy) がチョコを食べて苦しんだら、すぐに最寄りの「veterinary surgeon (獣医)」に連絡した方がいい。
「チョコレート中毒」の治療は、ワン君がチョコを食べてからの経過時間によって違って来るが、まず、食べたチョコを薬で吐き出させ、次に、テオブロミンの吸収を抑制するために「activated charcoa l(活性炭)」を使う。その後,点滴による「fluid therapy (輸液療法)」あるいは心臓への負担を軽減する薬などが投与されるという。
Christmasシーズンは、Halloween、Valentine's Dayと同様、ワン君にとっては、大好きなチョコが目の前にチラチラする危険なとき。チョコレート中毒のリスクは平常時に比べて 4倍に跳ね上がる。専門家は、「この時期、ペットのワン君のそばには絶対にチョコを置かないようにすることが肝心」とアドバイスする。
なお、Dr Jonesらの「チョコレート中毒」に関する研究結果は、獣医学雑誌「Veterinary Record」に発表された。
(写真は添付のBBC Newsから引用)