エスプレッソはイタリアの珈琲:でも、若ものはアメリカンが好き (BBC-Business, September 19, 2017)
「espresso」とはイタリア語で「pressed out (圧搾された抽出物)」の意で、もちろん、高圧の水蒸気で抽出した濃厚な珈琲 (strong black coffee) のこと。
イタリアで、「coffee」と言えば、この「espresso」を指し、coffee は espressoの「synonym (同義語)、すなわち「同じ意味」だ。しかし、現在、正確には「だった」と言わざるを得ない状況に追い込まれている。
espresso は風味 (flavour) が独特。「American coffee」の薄味 (lighter) とは違って、小さめの珈琲カップで、チビチビとその味を楽しむ。espresso にミルクを加えた coffe latte (カフェ・ラテ)、cappuccino (カプチーノ)、coffe macchiato (カフェ・マキアート) も「Italian coffee (イタリアン珈琲)」だ。
ところが、「Italian bars (イタリアの喫茶店)」の雰囲気も espresso と同様に独特だ。
"The Italian bar is based on a 'drink up and leave' mentality and if you're there for more than 10 minutes they get annoyed."
[ イタリアの伝統的な喫茶店には、「飲んだら、立ち去れ」の基本的な心理が働いていて、10分以上も、そこに居座るようなら、周りの人から嫌がられる。]
これでは、若い層が離れるのも無理がない。「Starbucks」は「with humility and respec t(謙虚さと敬意を払って)」espresso 発祥の地イタリアに進出し、「12oz Coffee Joint」、「Arnold Coffee」などの「American-style coffee shops」も次々にオープンした。
それらは、「It's stylish and have a young fresh feel to it.(店内が小ぎれいで、若々しいフレッシュな雰囲気に溢れている。)
"Their shop allows customers to stay longer and linger over a coffee is one of their big attractions."
[ アメリカン・スタイルの喫茶店では、長く居座りできる。珈琲一杯で、喫茶店でたむろできることが、アメリカンの魅力の一つになっているのだ。]
この若もの傾向は、日本も同じ。かっては、独りで座って珈琲を飲んでいる人をほとんど見かけなかった喫茶店。この頃の「Starbucks」では、パソコンを開いて仕事をする人や語学の勉強あるいは読書にふけっている人が多くなった。
伝統と慣習にしがみついて「customers」の要望に目をそらし、その信頼を失うと、伝統のイタリアン珈琲「espresso」もやがて、「高齢者の珈琲」になりかねない。
(写真は添付のBBC Newsから引用。)