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ストレスは毒薬: 心臓さえ壊し、身も心もガタガタに! (BBC-Health, January 12, 2017)

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 たばこを止めて、お酒を控え、食事にも気を遣って健康に十分注意しても、心臓血管疾患 (cardiovascular disease) や脳卒中 (stroke)のリスクから逃れ切れるとは限らない。
 現代社会では、職業が不安定(job insecurity)で、その上、仕事は重い(heavy workloards)。さらに貧困 (living in poverty) が目の前にちらつく。こんな状態では、誰でも慢性的なストレスに曝されて、うつ病 (depression) などの「慢性的な精神疾患 (chronic psychological disorder)」に罹ってしまう。

 しかし、ストレスは、うつ病の発症リスクを高めるだけではなかった。
 「Harvard Medical School (ハーバード大学医学大学院)」の Dr Ahmed Tawakol らの研究グループは、被験者 300人の臨床試験データを解析し、これまで未解決だった問題、すなわち、ストレスを強く受け続けると、なぜ、心臓血管疾患などの発症リスクが高くなるのかを明らかにした。

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 Dr Tawakol らが注目したのは「amygdalae (扁桃体)」の働き。これは、脳の「側頭葉内側部 (medial temporal lobes)」の奥部に、アーモンドの形で存在する神経組織の集まりだ。主として、恐怖 (fear)、怒り (anger)、喜び (pleasure) などの情動 (emotions)を司る組織だ。
 そもそも、「amygdala」とは、ラテン語でアーモンドを意味し、1819年に初めてこの言葉が、扁桃体を表わす医学用語として用いられたという。

'The researchers suggest that the amygdala signals to the bone marrow to produce extra blood cells, which in turn act on the arteries causing them to become inflamed. This can then cause heart attacks, angina and stroke."
[ 研究者らの考えはこうだ。ストレスを受けると、扁桃体の活動が活発になり、扁桃体は、骨髄に対し、白血球を多めにつく(って臨戦態勢に入)るように指令を発する。しかし、これが長く続くと、動脈に炎症を起こしてしまう。そして結局は、心臓発作や狭心症脳卒中を引き起こすのだ。]

 この研究結果から明らかなように、喫煙、高血圧だけが、健康上の重要な危険因子(risk factor) ではなかった。実は、ストレスは、心も体(心臓、血管)もボロボロにする恐ろしい毒だったのだ。
  昔の人は、「心配は身の毒 (Care killed the cat.)」と教え、「憂い (worry and grief)」が身を滅ぼすこともあり得るとした。
 扁桃体は、太古の時代、脊椎動物が敵から逃れるために発達させた神経組織。極めて繊細で、苛酷な働きは苦手だ。
 なお、魚もストレスを受け続けると、うつ病になることはよく知られている。
                 (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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