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それってアリ?:噛みついて、刺してヒトを殺す蟻(アリ) (BBC-News, December 8, 2016)

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 イソップ物語の「The Grasshopper and the Ants (アリとキリギリス)」に登場する蟻(アリ) は働きものだ。冬に備えて、せっせと動き回る。その性格は、享楽的なキリギリスと対照的に描かれる。この物語を読むと、アリは善良で誠実な生物のようにも思えてくる。しかし、本当にそうだろうか。

 英語「ant」の語源はドイツ語の「die Ameise」。その原義は「噛み切るもの」だ。何やら、物騒な、看過できない雰囲気が漂い始める。

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 オーストラリア大陸 Queensland 州の Port of Brisbane (ブリスベン港) に、南米の「アカカミアリ (Red fire ants)」が上陸したのは 15年前の2001年。その後、またたく間に、Queensland 南東部に広がり、今では、隣の New South Wales の州境に 50kmまで迫っている。

"The aggressive insect is known to bite humans and livestock en masse. Its venomous sting can cause blistered spots or even trigger a deadly allergic reaction."

[ このアカカミアリは、攻撃的な昆虫として知られていて、集団となって人間や家畜を襲い、噛みつく。また、その毒針にさされると、患部が赤く腫れ上がり、ときに、命取りになるほどのアレルギー反応(アナフィラキシー反応)を引き起こす。]

 それもそのはず。アカカミアリは、あの凶暴なスズメバチ (hornets) の近縁に当たる昆虫だ。スズメバチの祖先 (ancestor) から 1 億数千年前に分化したと考えられている。

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 アメリカ合衆国では、すでに、このカミアリで80人以上が命を落としているという。
豪州「(Invasive Species Council (侵入生物協議会)」CEO の Mr Andrew Cox によると、今のうちに政府が「撲滅プログラム (eradication programme)」を立ち上げないと、その被害額は、数十億A$ になると予想されるという。
 外来種の、したたかな「やっかいもの (pests)で、「ならずもの (villains)」の「Red fire ants」。これまでオーストラリア政府は、この極悪人退治にA$328m (約281億円)を費やした。しかし、本気で対策に乗り出さない限り、これは、「焼け石に水」になりかねない。

  オーストラリアにとって、野ウサギ (feral rabbits)、オオヒキガエル (cane toads)、キツネ (foxes) の被害を全て合わせても、まだ足りないくらいの被害額になるのでは、と専門家は危惧している。
                                 (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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