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歩いて学校に通う子:頭の良い子 (BBC-Future, January 22, 2016)

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 「exercise」の語源はラテン語の「exercere」。「set to work (体を働かせる)」、「keep busy (忙しくする)」の意味だ。COD は、「exercise (運動)」を「physical activity carried out for the sake of health and fitness (健康や体力を維持するために体を動かすこと)」と定義する。

  BBC-Future は、これまでに発表された「exercise (運動)」に関する研究論文を「review (精査)」し、以下の 7 項目にまとめた。

1.運動すると IQ が上がるのはなぜ?(Why exercise boosts IQ)
 子どもが歩いて学校に通うと、集中力がついて、成績が上がる。また、高齢者が適度な運動を行なうと、運動しない人に比べて、「認識機能障害 (cognitive impairment)」の罹患率が 50%も低下する。
 これらは全て、運動によって頭の働きも血の巡りもよくなり、神経細胞の成長と神経伝達物質の分泌が促進されるためだ。

2.トレーニング・ミュージックの心理学 (The psychology of workout music)
 音楽を聞きながら運動すると、疲れが軽減され、耐久力も上がるのはなぜか。その答えは「運動皮質 (motor cortex)」の働きに関係がある。音楽が耳に入ると、そのシグナルが「聴覚伝導路 (auditory pathways)」を通って、運動皮質に直結する「補足運動野(supplementary motor area)」に伝わり、そのリズムが運動のタイミングに役立つのだという。

 しかし、屋外のグランドに、大音響の騒々しい音楽を流してトレーニングやランニングをする輩 (やから) には、ほとほと手を焼く。人の迷惑を気にしない、我がまま勝手、傍若無人のスポーツマン気取りが多くなった。

3.運動中の痙攣(けいれん)は塩分不足のせい?(Are cramps caused by a lack of salt?)
 アメリカン・フットボールの選手を対象にした研究によると、暑い日の試合で、選手に痙攣(けいれん)の故障が多くなる傾向があった。汗をかくと、体の塩分が失われるため、塩分が不足すると痙攣を起こしやすくなるとする説が正しいようにも思える。
 ところが、寒い日でも痙攣は起きるのだ。したがって、痙攣の予防にと、塩分を摂る必要は全くなし。これが結論。

4.運動の前後のストレッチ準備体操は必要か?(Is stretching before and after exercise necessary?)
  手足の骨折やケガを防ぐために、運動の前と後でストレッチの準備体操を行なうことが勧められてきた。しかし、オーストラリア「George Institute」の研究によると、その予防効果はまったく認められなかったという。

5.特別仕様のランニング・シューズを履くと、ケガをしないか?(Do special running shoes prevent injury?)
 世の中に次々と送り出される「特別仕様ランニング・シューズ (personalized running shoes)」。かかとの負担が軽減され、着地感が抜群、さらに、着地のときに「回内(pronate)」(足を内側に回す)が楽に設計されたシューズと聞くと、値段も高いが、プロ志向やマニアでなくとも気がかりだ。
 本当に、そのシューズを履くと、ランニング時のケガが防げるのか。
 研究結果は衝撃的だ。特別仕様の効果は極めて小さい。そもそも、地面が固いとケガをしやすいとする説そのものの根拠が薄いのだ。

6.人類はいつの日か 100 mを 9 秒以下で走れるようになるか?(Will we ever run 100 m in under nine seconds?)
 いかに速く走れるかは、偏 (ひとえ) に地面を蹴る足の力に掛かっている。スピードを上げるためには、地面を蹴る力を強くするか、その力をできるだけ長く地面に伝えることが重要だ。ランナーにとって、「ふくらはぎの筋肉 (calf muscles)」を鍛えることが勝負のカギとなる。
 ただし、人類はすでに走れるスピードの限界に達しているとする見方が有力だ。

7.運動はうつ病に効果があるか?(Does exercise really help with depression?)
  「コクラン (Cochrane)」[ 国際 NPO コクラン共同計画 ]」が、タイ、デンマーク、オーストラリアで実施された 30 件の臨床試験 (trials) のデータを「メタ分析 (meta-analyses)」手法で解析した結果、全体的に見て、運動はうつ病の治癒に効果があるとは言えなくもない。しかし、その効果は極めて小さいことが明らかになった。したがって、運動は、うつ病の「解決策 (panacea)」にはなり得ないと言える。

                                   (写真は添付のBBC Newsから引用)

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