ヒロシのWorld NEWS

世界のニュースを日本語でお届け!

運動量・強度が気になる人:あるいは、これにこだわる人に! (RTE-News, Apr 2, 2021)

Moderate intensity exercise is considered to be any physical activity that requires a person to work at 40-59% of their heart rate reserve.

 ひとは、うわさやTV・ネット情報に流されやすい。某TVチャンネルでバイク (bicycle)の番組が話題になると、高価なスポーツ・タイプの自転車の購入に走り、街中のランニングが話題になると、これにこだわって特殊なランニング・シューズを買い求める。

 確かに運動 (exercise)は心身の健康に欠かせない。けれど、よほどの怠け者あるいは運動嫌いでもない限り、WHOの運動量ガイドラインはクリアしているはずだ。

 

 なお、WHOが定める「健康を保つために必要な運動量」は次のいずれか。

・moderate intensity exercise:中程度の運動

 少し息が切れるくらいの運動 (サイクリング、速歩き、階段上りなど)を週に150分 (1日当たり約20− 25分)

・vigorous intensity exercise:激しい運動

 すぐに汗をかく運動 (ジョギング、ランニング、エアロビクスなど)を週に75分間 (1日当り約10− 12分)

 

 しかし、Birmingham大学の Dr Viv Leeによると、運動量の捉え方が間違っている人が多いという。約36%の人が、WHOの運動量ガイドラインを高い水準と勘違いし、運動を余りしない人に限ると、その約61%がWHOガイドラインを実際よりも大変なものと「overestimate (過大評価)」している。

 

 その原因は一重に「moderate and vgorous intensity exercises」がどんなものであるのかを知らないからだ。

 運動量の強度 (intensity)の簡便な測り方については、次の 3通りが知られている。

 

1.Heart rate (心拍数)による決定法

 計算に当たって、3つの値を知る必要がある。

・resting heart rate:安静時心拍数  → 測定

・maximum heart rate:最大心拍数 → 220 − [年齢]

・proportion of desired heart rate residue:心拍予備能係数PHRR

  moderate exercise → PHRR= 0.4〜0.59

        vigorous exercise  → PHRR =  0.6 over

 

計算例:

 例えば、年齢40歳の人が「moderate intensity exercise (中程度運動)」を目標にするなら、

・安静時の心拍数を測る。→ 45回/分

・最大心拍数(推定値)  → 220 − 40=180回/分

・心拍予備能 → 最大心拍数 − 安静時心拍数=180 − 45 = 135

・中程度運動が希望 → 係数PHRR=0.4〜0.59

・中程度運動時の心拍数=[安静時心拍数] + [予備心拍能]×係数PHRR

           = 45 + 135×( 0.4 〜0.59)

                                           = 99 〜125 

 

つまり、運動中に心拍数が [99 〜125]の範囲にあるなら、それが中程度運動。それよりも高い数値になるときは、激しい運動ということになる。

 

2.Perceived exercise scale (自主的運動強度)による決定法

 これは主観的に運動の強さをランク付けする方法で、[非常に楽な運動]を 6、[非常にきつい運動]を20と定め、中程度運動と激しい運動を次のようにランク付けする。

・moderate exercise:12〜 13

・vigorous exercise  :14 over

 

3.Step rate per minute ( 1分間の歩数)による決定方

・moderate exercise:1分間に100歩を歩くスピード(運動努力)

・vigorous exercise  :1分間に100歩以上を歩くスピード(運動努力)

 

 しかし、いずれにしても、プロのスポーツ選手でもない限り、運動強度にしつこくこだわる必要はない。運動の強さ・きつさの感じ方は、運動する本人の年齢、性別、健康状態によって違うもの。無理をせず、体調に合わせて運動を楽しむことが肝心だ。

 

おわりに:掃除に洗濯、床拭きに荷物運び。そのどれもが「おっくう」になったら、危険信号。運動不足を疑った方が良い。しゃがむ、手を伸ばす、座る、歩くなどの、日常の動作がきちんとできれば、運動量は十分なはずだ。

          (写真は添付のRTE Newsから引用)

www.rte.ie