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「間違っていた」地球温暖化休止論:米研究論文指摘 (BBC-Science & Environment, June 4, 2015)

http://ichef.bbci.co.uk/news/590/media/images/83426000/jpg/_83426038_c0084851-land_temperatures,_december_2010-spl.jpg

 データ(data)は、情報を秘する数字。いったん、これが紙の上に記録されるか、コンピュータに入力されると、その後、動かしがたい事実(情報)として固定される。

 しかし、科学に携わる研究者は誰でも知っているように、いつ(when)、誰が(who),
どのようにして(how)、どのような装置(with what apparatus)で、採取し、記録したデータなのかは、データの精度、信頼性を裏付けるもとして、大切にされる情報だ。見過ごされやすい点ではあるが。

  米国海洋大気庁(National Oceanographic and Atmospheric Administration, NOAA)が、従来の海洋観測データの見直し・修正を行なうとともに、最新の気温データを加えて、再度、データ解析を進めた。その結果、重要な事実が浮かび上がる。これまで、一部の科学者が主張していたような、「地球温暖化は、近年、休止状態(hiatus)にある」どころか、この半世紀以上にわたって、ずっと、地球の気温は上がりっぱなしであるという事実が判明したのだ。研究結果は、科学雑誌「Science」に発表された。

 国際的な政府機関機構の「気候変動に関する政府間パネル」(The Intergovernmental Panel on Climate Change, IPCC)が2015年に公表した声明によると、

 地球の平均気温は、1998年~2012年の15年間に限り、10年につき0.05℃の割合で上昇している。これに対し、1951年~2012年の62年間における気温上昇率は、10年につき0.12℃の割合である。

 この声明が、地球温暖化休止(停滞)論者に、利用されたようだ。

 しかし、論文に掲載されたNOAAの解析では、20世紀後半(1950年~1999年)の気温は、10年につき0.113℃の割合で上昇していた。また、この15年間(2000年~2015年)では、10年につき0.116℃の割合の上昇率であった。つまり、IPCCの声明の内容とは違って、地球温暖化のスピードは、この半世紀以上にわたって、衰えていないのだ。
地球の気温は、今も上がり続けている。これが真実。  

                                             
  人には、自分の意見、立場、主張にとって都合の良いデータは、疑いもなく受け入れるが、都合の悪いデータは、とかく批判的になりやすい傾向がある。データを解析する人も、その結果を読み解く人も、もっと冷静に、謙虚な姿勢になってもらいたいものだ。    (写真は添付のBBC Newsから引用)

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