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これがティラノサウルスの先祖か:新種の恐竜「死神」を発見!  (BBC-Science & Environment, February 11, 2020)

An artist's impression of Thanatotheristes degrootorum, a newly-discovered species of Tyrannosaurus rex

 今からおよそ6,800万年前、地球上の食物連鎖の頂点に立った「肉食恐竜 (carnivorous dinosaurs )」で、恐竜 (dinosaurs)の中の王にまで上りつめた恐竜と言えば「ティラノサウルス (Tyrannnosaurus)」。

 その名は、古代ローマの暴君ネロと同じく、残虐の限りを尽くした恐竜のため、「暴君恐竜」を意味する。その最盛期には全長15m、背丈6m、頭だけでも1,5mの巨大な体に進化して、目にするものを手当たり次第に食い散らした。その残虐な君主の支配する時代が約300万年間も続いたとされる。

 ところで、その「Tyrannosaurus (ティラノサウルス)」の祖先に当たると考えられる新種の恐竜が、カナダのアルバータ州で発見され、Calgary大学の古生物学専門の Darla Zelenitsky教授らによって「Thanatotheristes deglootorum (サナトセリステス・デグルートルム)」と命名された。

 それは「Reaper of Death (死神)」という意味だ。その時代に生きた動物にとって、獰猛(どうもう)な恐竜は、まさしく、死神だったに違いない。

The skeleton of a Tyrannosaurus rex on display at the Natural History Museum of Leiden

 その新種のティラノサウルス科に属する恐竜の特徴と言えば、頭蓋骨のてっぺんにはコブがあり、立ち上がったときの背丈は推定約2.4m、ギザギザの歯の長さは7cmで、それはまるでステーキナイフのようだった。

 この恐竜の化石は、2010年、Mr John De Grootがアルバータ州南部をハイキングしている最中に、偶然発見したものだった。Mr De Grootは根っからの古生物学愛好家。大きな恐竜の顎とその鋭い歯の化石を見て、これは大変なものだと驚いたそうだ。

 なお、カナダでは1970年に、同じティラノサウルス科に属する「ダスプレトサウルス (Daspletosaurus)」が発見されている。研究者たちは、この新種のティラノサウルスの発見が、恐竜の進化の解明に役立つものと期待している。

 Zelenitsky教授らの、新種の恐竜に関する研究結果は「The Cretaceous Research Journal」に発表された。 

おわりに:かっては地球上で敵無しであった「Tyrannosaurus (ティラノサウルス)」も、突然、創造主の天誅(てんちゅう)を受ける。約6,600万年前のことだ。宇宙の果てから送り出された小惑星が地球を直撃し、一瞬にして、ティラノサウルス一族は絶滅した。

                                           (写真は添付のBBC Newsから引用)

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「痛み止め」は麻薬・違法薬物の同類:飲み過ぎに注意! (BBC-Health, February 6, 2020)

woman holding pills

 頭が痛い、膝が痛いと言っては、病院で「painkiller (痛み止め、鎮痛剤)」を処方してもらい、これを飲み続けていては、「predcription drug addiction (処方薬中毒」になってしまう。

 「Public Health England」が昨年発表した報告書によると、多くのイギリス人がオピオイド系鎮痛剤、抗うつ薬睡眠薬などの薬物依存症から逃れなくなっていると警告している。 

 とくに、強い鎮痛効果をもたらす「codein (コデイン)」、「morphine (モルヒネ)」などの「オピオイド系鎮痛剤 (opioide medicines)」は、これまで、ガン患者や死期が迫った患者に対して広く使用されて来た。

 しかし、そもそも、どんな鎮痛剤であれ、それは痛みの原因を解消する薬ではない。単に、痛みの感覚をごまかしているに過ぎない。したがって、痛みがとれて、病気が治ったと思うのは「obsession (妄想)」だ。

 UKでは、年間約500万件もの鎮痛剤が病院で処方されている。しかもその約1/4に当たる約120万件を、患者が連続して1年間飲み続けている。なぜ、医者は、こうも多くの、そして頻繁に鎮痛剤を処方しているのか。

 その背景には、「医者の過酷な勤務状況が関与している」と、Birmingham大学の Jamie Coleman教授は指摘する。 

 医者は、余りにも多くの患者を診断する必要に迫られ、患者の症状や痛みの原因に深く踏み込むことをせずに、痛みを訴えた患者に対して、鎮痛剤で処理してしまっているというのだ。患者の痛みは「grief (悲しみ)」、「 social isolation (社会からの孤立感)」、「 mobility isuues (日常生活上の行動の制約)」などが原因となっているケースも少なくない。このため、本来は「mental health care (メンタル・ヘルス ケア)」が必要だ。

  しかし、その余裕はない。結局、体の痛みの感覚をごまかすように、患者の治療を鎮痛剤で片付けてごまかす。

 さらに、Coleman教授は、少量の鎮痛剤なら、誰でも薬局の店頭販売 (over-the-counter sale)で購入できる、UKの医薬品販売制度にも問題があると指摘する。これに違法薬物の闇取引が加わると、薬物依存あるいは薬物依存死亡者が急上昇し、やがて、手に負えない状況になることは、USの例 (年間オピオイド処方件数:数億件) を引き合いに出すまでもなく、火を見るよりも明らかだ。 

おわりに:麻薬・違法薬物に関しては、常習者の扱う薬物量が少ないの、犯罪件数が少ないといった問題ではない。それは「新型コロナウイルス感染」と同じようなものだ。感染率が低い、死亡率が小さいなどと、軽い気持ちで侮(あなど)っていると、社会はとんでもない混乱に巻き込まれる。また、医者は忙しすぎると苦言を言うが、一方で、医学部の定員を増やすことに反対する。これを矛盾という。

            (写真は添付のBBC Newsから引用)

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ウイルス感染:知ってびっくり、感染予防のコツ! (RTE-News, February 10, 2020)

Do you use hand sanitiser?

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、世界中の人々がマスクを買い求めて薬局・スーパーに押し寄せた。そして、あっという間に店頭からマスクが消えてしまった。今ではロシアでさえ、ネット上で正規の値段の数十倍で売られている始末だ。

 ところで、そのマスクはウイルス感染の予防に果たして効果があるのだろうか。

 「Public Health England」のDr Jake Dunningによると、「outside a clinical setting( 臨床現場以外では)」マスクのウイルス感染予防効果は、ほんのごくわずか。すなわち、屋外ではマスクをしても、しなくともほとんど変わりなし。(ただし、換気の悪いバス、タクシー、電車の中や映画館などの密閉空間は別だ。)

 もちろん、風邪やインフルエンザなどに罹っている人が、飛沫を放って他の人に移さないようにする効果はあるだろうが.......。ともかく、一般に市販されている簡易マスクに過剰なウイルス感染予防の効果を期待するのは危険だ。

 では、どうすれば良いか。

 そもそも、ウイルスの感染は、空気感染よりも、直接、ウイルスに手が触れて感染、発症することが多いという。ウイルス感染者がセキ、クシャミや鼻をかんだときに、手や衣服についたウイルスは、約24時間も生き延びることができる。その間に、お札・小銭や店頭の商品、手すり、ドア・ドアノブなどに付着し、それがさらに他人に移って、感染を広げる。

 したがって、感染予防の基本は手洗いだ。しかし、身近に水と石鹸が使えないときもある。そんなときは、デパート・スーパーなどの入口に置いてあるような「hand sanitisers (携帯型消毒液)」が便利だ。なかでも、お勧めは、アルコール成分が60%以上の「alcohole-based sanitisers (アルコール系消毒液)」。その適量を手にとって、約20秒間、両手全体にまんべんなく擦りつける。とくに指の付け根に注意し、手首まで消毒しよう。これで、手に付いたほとんどの細菌・ウイルスは数秒間で死滅する。

 ただし、アルコール系に過敏な人は、この消毒液で手に痒みを覚えることもあるという。そのような人は、お湯と石鹸で手を洗うようにした方が良い。

 また、ウイルス感染対策として、次の点も忘れずに。

 

・タオル・食器類は、共有しない。(回し飲みなど以ての外)

・ドアノブなど(手の触れる機会が多い場所) は抗菌スプレーで消毒するか、またはきれに拭き取って清潔に保つ

・咳、クシャミをするときは、ハンカチ、ティッシュなどで口元を覆う

・鼻水をかんだら、ティッシュはゴミ箱に

・手は一日に何度もよく洗う

おわりに:スーパー・デパート、それに駅や病院、公共施設など人混みの多い場所は、ウイルス感染のリスクが高い。建物の出入口に設置されているアルコール消毒剤は、建物に入るとき(付着したウイルスを屋内に持ち込まないため)、そこから出るとき(ウイルスを家庭に持ち込まないため)に使用することを勧めたい。それに、自分で気づかぬうちに、何らかの細菌・ウイルスに感染している可能性もある。この時期、人混みではマスクを着用することがエチケットだ。

                                             (写真は添付のRTE Newsから引用)

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ガン全ゲノム塩基配列の解読に成功:ガンの種子、煽り役も解明! (BBC-Health, February 5, 2020)

Cancer cells

 一口でガン (cancers)と言っても、ガンには色々な顔があり、正体不明。孫子の兵法の基本は「汝 (なんじ)の敵を知れ」だった。敵を知らずして戦うことは無謀との教えだ。

 ところが、医者は、本当はよく分からないガンにもかかわらず、患者に治療を施(ほどこ)すことが少なくなかったという。

 そうは言っても、世界の第一線の医療関係者はこれまでも、ガンの正体を暴(あば)こうと、人の細胞に対してタンパク質を作るように指示する「coding regions of the genome (遺伝子コーディング領域)」に焦点を当てて、研究を進めて来た。努力することは、して来たのだ。

 ただし、この研究手法では、ガンの全体像の、ほんの 1%を垣間見ただけに過ぎないという。つまり、ガンをゾウに例えるならば、ゾウの鼻先だけを覗いただけに過ぎない。これでは『群医、ゾウを撫でる』どころか、もっとひどい状態だ。

 そこで、37ヶ国の専門家チームは「The Pan- Analysis of Whole Genomes Project (ガン種横断的全ゲノム解析プロジェクト)」を立ち上げ、10年以上の歳月を掛けて、残る99%のガンの姿を捉えることに努力を重ねた。そして、ついに、ガンの正体を遺伝子工学的に捉えることに成功した。

 また、「carbon-dating method(放射性炭素年代測定)」を駆使して、ガンの経時変化を明らかにすることもできた。

 その主な研究成果は次のとおり。

・遺伝子変異をガンに発展させる、いわばガンのアオリ役の「driver mutation (ドライバー遺伝子変異)」が存在する。その数は4 - 5ヶ。

・ただし、「driver mutation」が認められないガンも全体の 5%を占めるため、さらなる研究が必要。

・ガンには種子 (seeds)があり、それが数年から数十年間、ガン発症のチャンスを狙っている。とくに卵巣ガン、悪性脳腫瘍などは早期に種(たね)を形成している。

・早期遺伝子変異の約50%は、9ヶの遺伝子に集中している。

・ガンの全ゲノム塩基配列 (約2,700点)の解読に成功し、ガンを38種類に分類。

 このプロジェクトに参加した Canda「The Ontario Institute for Cancer Research (オンタリオ ガン研究所)」の Dr Lincoln Steinによると、これまでは、ガン患者を診察しても、およそ 3人に 1人のガンについては、皆目見当も付かないガンだったという。この研究の成果を応用すれば、今後は「liquid biopsies (液体生検)で「driver mutation」などをチェックし、早期にガンの特性を把握することも可能だ。さらに、患者ごとに違うガンに対して、的確かつ精度の高い「tailered treatment (オーダーメイド治療)」も夢ではなくなった。

 なお、UKでは、毎年、新たにガンと診断される患者数は363,000人(日本:推定1020,000人)、ガンによる死亡者数は165,000人 (日本:推定380,000人)と報告されている。

 

謝辞:この一文をまとめるに当たって、以下の優れた「The Guardian」の記事も参照した。記して謝意を表したい。

The Guardian: February 5, 2020

・Signs of cancer can appear long before diagnosis, study shows

                            (写真は添付のBBC Newsから引用)

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フロリダのワンワン缶ビール:まいご犬の飼い主探しに一役買う! (BBC-News, February 4, 2020)

Monica Mathis and her dog Hazel

 そのワンくんの名前は「Hazel (ヘィゼル)」と言った。「Goleden-Terrier Mix (ゴールデン・テリア交雑犬)だった。飼い主は USの Iowa (アイオワ州)に住む Ms Monica Mathis。

 ところが、およそ3年前の、2017年5月のある日のこと、庭先につないでおいたヘィゼルの姿が突然消えた。Ms Mathisは必死で愛犬を探したが、どうしても見つけることができなかった。その後、まもなくして、Ms MathisはMinnesota (ミネソタ州)に引っ越し、ヘィゼルのことは諦(あきら)めてしまっていた。

 しかし、ヘィゼルは、なぜか Iowaから南に1,300miles (約2,080km)下ったFlorida(フロリダ州)の都市「Bradenton (ブレードントン)の動物シェルターに保護されていた。ヘィゼルの体内に埋め込まれたマイクロチップは期限切れとなって、飼い主を特定できなかったという。

Photo of beer cans with dog photos on it

 このヘィゼルの飼い主探しに協力を申し出たのは、フロリダのビール会社「Motorwork Brewing」。缶ビールの側面に動物シェルターのワンくんの写真を印刷し、4缶セットで販売した。

 これがトップニュースとなり、TVプログラム「The Ellen DeGeneres Show」で報道された。Ms Mathisは、これをFacebookの「News Feed」で観て、びっくり。「あらまあ、わたしのヘィゼルだわ!」。早速、ビール会社に手紙を書いた。これが今年1月24日のこと。Ms Mathisのそれからは、ハラハラ、ドキドキの毎日だった。他の誰かが自分の犬だと名乗り出るのではないかと......。 

 しかし、動物シェルター側は、Ms Mathisが保管していたヘィゼルの獣医治療記録や写真などに基づいて、ヘィゼルの飼い主は、確かにMs Mathisであることを認め、ヘィゼルを飼い主に送り届けることにした。到着はヘィゼルがちょうど7歳の誕生日を迎える日になる予定とか。

おわりに:めでたし、めでたし。昨今は、心温まる話など、めったに聞かない。それは、河原で金塊を見つけるようなものだ。それだけに、この話は胸を打つ。

           (写真は添付のBBC Newsから引用)

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森林火災で?:いや、コアラはブルドーザで轢(ひ)き殺された! (BBC-News, February 2, 2020)

Koala, Kangaroo Island (file pic)

 Koalas (コアラ)はAustraliaを代表する「marsupial (有袋類)」。絶滅危惧種の中でも、絶滅の危険性の高いと判断される「vulnerable species (危急種)」に指定されている。

 ところで、昨年の秋以降、Australiaでは各地で森林火災 (bushfires)が相次いで発生し、焼け焦げて焼死したコアラの数は数万にのぼった。

 しかし、Australia (先住民を迫害し、自然を破壊し続ける一部のわがままな人と、その行為を黙認する社会) は呆(あき)れた国だ。国中に大惨事を招いた森林火災。その中には、放火によって火災が拡大したものも少なくないという。

 さらに驚愕の事実が明るみになった。

 昨年の12月のことだ。森林火災のドサクサに紛れて、コアラの生息するユーカリの森を、コアラもろともブルドーザでなぎ倒す事件が、ビクトリア州で起きた。お陰で、多くのコアラは住処(すみか)を失い、命をつなぐユーカリの葉を失って、次々と餓死した。また、ブルドーザは、樹の上から地上に落ちてウロウロするコアラを、容赦なく轢(ひ)き殺した。その森だけで数百頭のコアラが殺された。

 地元住民の Ms Helen Oakleyは、そのユーカリの森の伐採・殺戮現場を目撃した一人だ。メスのコアラが殺され、その側には、赤ちゃんコアラが寄り添う。この惨劇をMs Oakleyは動画に撮ってFacebookに載せ、抗議した。

「Australia should be ashamed.」「オーストラリアは恥をしれ!」

「The Department of Environment, Land, Water and Planning (環境・土地・水・ni計画省)」の Mr Andrew Pritchardによると、この事件で生き残ったものの、大怪我をして保護されたコアラは多数だった。その中で、ケガが余りにもひどく、やむなく「安楽死 (euthanised)」させざるを得なかったコアラは25頭もいたという。

 当局は、このユーカリの森の「不法伐採」と「コアラの殺戮」行為に対して、訴訟を起こす準備中とか。 

 また、動物保護グループの「Animals Australia」は、Ms Oakleyの動画に写った現場に、調査チームを派遣した。「The Prevention of Cruelty to Animals Act (動物虐待防止法)」を含む数々の「breaches of legislation (法律違反)」があった可能性があるというのだ。

おわりに:オーストラリアはイギリスの流刑者が送り込まれて、入植が始まった国だ。入職者は先住民を銃で大量殺戮した。そして、今、その末裔(まつえい)の一部が、山林に放火し、あるいはその山火事のドサクサに紛れて、数多くのコアラをブルドーザで轢(ひ)き殺した。なんとも、残虐で悲しい悪人の所業ではないか。

『Australia should learn the history, and should be ashamed of the behaviour.』

               (写真は添付のBBC Newsから引用)

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Peanuts(はした金)で済まない:Peanuts(ピーナッツ)対策 (BBC-Health, February 1, 2020)

A photo of a mound of peanuts still in their shells

 マーマレード (marmalade)は爽やかなジャムだ。ところが、悪魔のような気質の、あのヒットラーが、『毎朝、好んで、このマーマレードをパンに塗って食べていた』と聞いて、がっかり。すっかり興ざめしてしまった。カナダの暮らしで、それではと、探し当てたのが「ピーナッツバター」。カリカリに焼いたトーストにピーナツバターをたっぷり塗って食べると、その味は格別だった。なによりも「ピーナッツバター」は安い。この点も気に入った。

 しかし、ピーナッツは、USで最も多い「food allergy (食物アレルギー)」を引き起こす「allergens (アレルゲン)」だ。この数十年間で、西側諸国でも、このピーナッツアレルギーが増える傾向にある。このため、長年にわたって、ピーナッツアレルギー治療薬の研究が進められて来た。

 その開発に成功したのは USのバイオ医薬品会社「Aimmune Therapeutics Inc (アイミューン・セラピューティックス社)」。商品名「Patforzia (パトフォルジア)、AR101」が、世界で初めて「The US Food and Drug Administration (アメリカ食品・医療品局)」によって認可された。

 ただし、「Patforzia」はアレルギーの治療薬ではない。あくまで「protection medicines (予防薬)」だ。

 それに、対象となるのは年齢が 4 - 17歳の子どもで、粉状の「Patforzia」を食べ物に振りかけて摂取する「経口免疫療法 (oral immunothrapy)」となる。実際には、主成分が「peanut protein (ピーナッツタンパク質) 」の「Patrozzia」の摂取量を、医師の指示に従って、徐々に増やして行く処方がとられる。これが6ヶ月間続く。その後も、万が一のピーナッツアレルギーに備えて、毎日、一定量の「Patrozia」を飲み続ける必要がある。

 それでも、「fetal anaphylactic reaction (致命的なアナフィラキシー反応)」のリスクをゼロにはできないという。

おわりに:アレルゲンを少しずつ体にとりいれて、体をアレルゲンに慣らすやり方は、確かに効果があるかも知れない。しかし、問題は、その薬の価格だ。1ヶ月分の「Patforzia」の価格は$850。とても「peanuts (はした金)」とは言えない額だ。

 英語の「peanuts」には、「雀のなみだ金、はした金」の意味もある。次のことわざは、賃上げ交渉時の決まり文句。

 If you pay peanuts, you get monkeys.、

 (給金が)そんな はした金では、ロクな奴しか集まらないさ)

                   (写真は添付のBBC Newsから引用)

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