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世界中の誰もが好きな「ビーフ、ポーク、チキン」:でも、やがて限界に (BBC-Health, Feb 4, 2019)

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 機内食では、もちろん、子どもが優先された。食事に先立ち、「cabin crews (客室乗務員)」が、機内の子どもの一人ひとりに「Beef, salmon, or chicken?」と聞いて回った。
 ところが、Toronto発C航空の「cabin crews」は、日本の小さな女の子が、とびっきり嫌いだったようだ。同伴した子どもを確認しながら、「Beef, salmon, or chicken?」の選択権を与えなかったのだ。

 他の乗客がほとんど食事を済ます頃になって、飛行機の最後尾席に座らせられた数名に、ようやく、運ばれてきたは、冷え切った「BEEF (ビーフ)」だった。その味は今でも忘れられない。苦くて、まずい食事であった。
 この一部始終を、封書にしたため、苦言を言って見たが、案の定、C航空会社からは「なしの礫(つぶて)」だった。異国とはこんなものかとも思えた。数十年も昔のことだ。

 この経験で驚いたのは、客室乗務員の人種差別まがいの嫌がらせだけではない。登場した客の間に「ビーフ」の人気がなく、ほとんどの子ども達が、口々に「Salmon!」とか「Chicken!」と叫んだことだった。

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 その頃の、北米人の肉の好みの傾向は、「The United States Department for Agriculture (合衆国農務省USDA)」の統計データに如実に現われている。あれほど肉好きのアメリカ人でも、「red meat (赤肉)」と呼ばれる「beef, pork」の消費が減少に転じ、代わって「portray(鶏肉)」の消費が大きく伸びた。
 『赤肉やハム・ベーコン、ソーセージなどの「processed meat (加工肉)」を食べ過ぎると、心臓疾患、脳卒中、ガンの発症リスクが高まる』とするWHOの勧告が、一般大衆に浸透した成果とも考えられる。

 しかし、世界全体の肉の消費量は、50年前の1960年代に比べて約5倍 (3兆3千億トン:2017年)に跳ね上がった。確かに、この間に、世界の人口は約30億人から76億人と2倍強に増加している。それにしても、肉の消費拡大は異常だ。その原因は、世界の「所得増 (rising incomes)」にあると言う。豊かになると、人間は肉を食べるのだ。

 2013年の統計によると、世界で最も肉を食べている国は USとAustralia。また、1人当たりの肉の消費量が最も高い国は New Zealandと Argentinaで国民 1人当たり年間100kgを超える肉 (ニワトリ約50羽あるいは牛約0.5頭)を平らげている。
 西側ヨーロッパ諸国の年間1人当たりの肉の消費量は、80 - 90kg。経済成長の著しい中国、ブラジルでも、肉の消費量が急速に増加している。

 一方、貧困国とされるEthiopian、Rwandans、Nigeriansの肉の消費量は、ヨーロッパの平均的な消費量の1/10。肉は「Luxury (贅沢)」な食べ物であることが、よく分かる。

 ところで、「beef (ビーフ)」の消費が、土地利用、水資源、地球温暖化ガス排出量などの環境問題に与える影響は、「chicken」に比べて3 - 10倍とされ、北米人の「beef (ビーフ)」離れは、地球環境保全の観点からは望ましいとされる。

 しかし、将来とも、世界中のみんなが、適度に肉を食べ続けられるようにするためには、どうすればいいか。我が儘な人間が、このまま、我が儘を通すわけにはいかないことは明白。肉を生み出す地球には限界がある。

 無策に時を過ごすと、やがて、肉はどの人にとっても、大変は贅沢なものになるに違いないと、専門家は見ている。
                   (写真は添付のBBC Newsから引用)

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