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プリサイス・メディスン最前線:ガン細胞DNA検査で死亡率激減 (BBC-Health, June 19, 2017)

 

https://ichef.bbci.co.uk/news/736/cpsprodpb/11E9B/production/_96517337_m8650257-prostate_cancer_cells-spl.jpg

 ガン治療の最先端技術は、ガン患者のDNAを調べ、個々の患者に最適な治療薬を投与する「プリサイス・メディスン (Precise medicine) [精密医療]」だ。
 現在、「進行した前立腺ガン(advanced prostate cancer)」には、変異した細胞だけを攻撃する分子治療薬 (targeted drugs)として「olaparib (オラパリブ)」が使用される。
 ただし、残念ながら、この薬は全ての前立腺ガン患者に効くわけではない。

 そこで、「The Institute of Cancer Research, ICR (ロンドン大学ガン研究所)」のJohann de Bono 教授らの研究チームは「Royal Marsden NHS Foundation Trust (王立マースデン NHS 基金トラスト)」と共同で、血液中のガン細胞 DNA (cancer DNA) を検出し、これ分析する「three-in-one blood test (三位一体血液検査法)」を開発した。

 進行した前立腺ガン患者 49名に対し、薬効を評価する「phase II clinical trial (フェイズ II 臨床試験)」の一環として、この血液分析を行なった。
 その結果、ガン患者の生存率 (survival rate) は飛躍的に改善 (greatly improved) したという。

 この新血液検査 (blood test) は低コストで簡単 (cheep and simple)。しかし、その目的は次の 3 点にある。

1.患者に対して分子治療薬「olaparib(オラパリブ)」が適正か:to identify
2.ガンが進化し、薬に対する抵抗力を付けていないか:to check
3.長期的なガンのモニタリング: to monitor

 血液中のガン細胞の DNA を分析することによって、前立腺ガン患者は、自分の最も適した治療法を、最高のタイミングで受けることができるようになった。抗がん剤が不適当と分かれば、すぐに治療法を変えることができるため、「precision medicine」の精度が格段に進歩したと言える。

"But larger studies involving more men needed to take pale to confirm if doctors could rely on the test ."
[ しかし、この検査法の信頼度を確実にするためには、さらに大規模な研究が必要。]

  研究の詳細は 6月 19日発行の医学雑誌「Cancer Discovery」に発表された。

 なお、「Report writing skills」、「最先端医療」に興味のある方には、次の「the guardian」の記事の一読を勧める。
「Prostate cancer blood test could transform treatment, say scientist」

                 (写真は添付のBBC Newsから引用。)

www.bbc.com