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抗生物質の長期服用:大腸ポリープを誘発! (BBC-Health, April 5, 2017)

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 病気に罹ると、ほとほと困る。抗生物質 (antibiotics) の使い過ぎの恐ろしさが頭にある人は、だれでも、はじめは薬局に出向く。そして、それほど安くはない漢方薬(Chinese herbal medicines) を買い求める。
 ところが、大抵、症状が一向に良くならない。結局、病院で診断を受けて、抗生物質を飲む破目になる。

 では、この抗生物質を飲み続けると、どうなるか。
 USA の医療研究チームが看護師 16,600人に協力を依頼し、長期間にわたる大規模臨床試験「Nurse Health Study (看護師医療研究)」を実施した。
 被験者の一部に、2ヶ月以上、抗生物質を服用してもらい、服用しなかった被験者の健康状態と比較した。

https://ichef-1.bbci.co.uk/news/736/cpsprodpb/17846/production/_95462369_coloncam1340350-colon_cancer-spl.jpg

 その結果、抗生物質を飲み続けた被験者には、臨床試験後の診断で、大腸ガンにつながりかねない大腸ポリープ「adenome (アデノーマ、腺腫)」が数多く発生する傾向にあることが分かった。しかも、40 - 50代の中高年層は、20 - 30代の層よりもポリープの発生する確率が高くなった。
 ただし、この研究では、どの程度のアデノーマが大腸ガンに発展したかについては、明らかにされていない。

 確かに、抗生物質は「細菌感染症 (bacterial infections)」に対して抜群の効果を発揮し、これまで多くの人命を救って来たことは否定できない。
 しかし、一方で

"Antibiotics fundamentally alter the gut microbiome, by curbing the diversity and number of bacteria, and reducing the resistance to hostile bugs."
[ 抗生物質は、腸内に生息するバクテリアの多様性やその数を大幅に減少させて、腸内の微生物叢を根本から変えてしまう。さらに、悪玉細菌に対しては、体の抵抗力を弱めてしまう。]

 加えて、抗生物質は、大腸ガンの「前兆 (precursors)」になりかねない、大腸ポリープの発生を促していることが分かったのだ。 

 ただし、チャリテイ団体「Cancer Research UK (英国ガン研究)」保健報道官 Dr Jasmine Just が BBCに語ったところによると、

 『この USA研究グループが医学雑誌「Gut」に発表した内容は、極めて初期段階の研究結果であり、そこから明確な結論を引き出すのは時期尚早。抗生物質を処方されている患者は、すぐに服用を中止することなく、心配がある場合は主治医に相談すること』。

 さて、結論:抗生物質は「諸刃の剣」であることを認識すること。Dr Jasmine は掛かり付けの医者に相談するようにと勧めるが、果たして、じっくり患者の話を聴いてくれる、あるいは信頼できる医者など、今どき居るのだろうか。

                 (写真は添付のBBC Newsから引用。)
        

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