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気むずかしい人と寛容な人:脳の形態で性格がわかる! (BBC-Health, January 25, 2017)

http://ichef.bbci.co.uk/news/976/cpsprodpb/07F7/production/_93793020_brainc0336616-migraine_conceptual_image-spl-2.jpg

 ヒトの大脳 (brain) の表層には、シワシワの「大脳皮質 (cortex)」があり、重さは脳全体のおよそ50%を占める。そこには神経細胞 (nerve cells) が詰まっていて、人体の司令塔の働きをする重要な器官だ。
 ところが、大脳皮質の大きさも、ヒダの数も人によって違うというのだ。

 Cambridge大学の Dr Luca Passamonti を含む英、米、伊3国の研究グループが、健康な若者のボランティア 500人に協力を依頼し、脳スキャン (brain scans) によって大脳皮質の状態を詳細に調べた。
 さらに、被験者全員にアンケート調査 (questionnaires) を実施し、「personality traits (性格特性)」に関する次の 5 項目の質問に答えてもらった。

・neuroticism  : 神経症的傾向 (気むずかしさ)
・extraversion  : 外向性 (やる気)
・openness   : 寛容性
・agreeableness : 同調性
・consciousness  : 誠実性

 その結果、大脳皮質の大きさとヒダの数は、人の性格に関連していることを突き止めた。
 大脳皮質が厚くて大きく、ヒダの少ない脳の持ち主に「neurotic tendencies (神経症的傾向)」が見られ、逆に、大脳皮質が薄い人に、「open-minded (心の広い)」タイプの人が多かった。

 なお、この研究の目的は、健康な人の脳と精神神経疾患 (neuropsychiatric disorder)を煩う人の脳の違いを明らかにし、うつ病などの心的状態や認知障害 (cognitive disorder)、行動障害 (behavioural disorder) について、「脳形態学 (brain morphology)」の観点から理解を深めることにある。

 これに対して、『 脳の働きは、大脳皮質の大きさやヒダの数よりも、神経細胞(nerve cells) が互いにどのように連携しているかに掛かっているもの。報告された論文では、この点の研究が欠けている 』との指摘もある。

 なお、一連の研究結果は医学雑誌「Social Cognitive and Affective Neuroscience(社会認知・情動神経科学)」に発表された。
                             (写真は添付のBBC Newsから引用。)

www.bbc.com