睡眠不足:人の健康を害し、国の経済も害する (BBC-Business, November 30, 2016)
どうしても、締め切りに間に合わせるためには、徹夜 (all-night work) で実験を繰り返したり、原稿を書いたりしなければならないこともある。しかし、その後がいけない。どうにも頭がしっくりと働かないのだ。仕事は、毎日の生活リズムが狂うと効率が悪くなる。
睡眠不足 (sleep deprevation) が続くと、健康に良くないのは明らかだが、国の経済にも甚大な被害を及ぼしているという。
非営利調査機関「Rand Europe」の Mr Marko Hafner らは、会社員 (employees) 62,000人のデータに基づいて、睡眠不足 (sleep deprevation) が引き起こす「生産の落ち込み(less production)」や「欠勤 (absence from work)」の実態を明らかにした。
"If those in the UK currently sleeping under six hours a night increases this to between six and seven hours it would add £24bn to the UK's economy."
[ 常に睡眠時間6時間以下のイギリス人が、その睡眠時間を 6~7 時間に引き上げるならば、イギリスに£24bn(約34億円)の経済効果をもたらすであろう。]
なお、「Rand Europe」が調査した先進主要 5ヶ国の「睡眠不足」と、これによって被(こおむ)っている経済損失は、以下のとおり。
Countries Loss of working days Economic cost GDP
[ ×thousand days ] [ £bn (\億)] [ % ]
US 1200 441 (5,750) - 2.28
Japan 600 138 (1,930) - 2.92
UK 200 40 ( 56o) - 1.86
Germany 200 60 ( 840) - 1.56
Canada 80 21.4( 300) - 1.35
"According the study, the 'healthy daily sleep range' is between seven and nine hours per night."
"The main impact was on the health, wih those sleeping less than six hours a night 13% more likely to die earlier than those getting seven to nine hours."
[ 研究報告によると、一日の健全な睡眠時間は 7~9 時間。]
[ 睡眠不足で問題のはなんと言っても健康だ。睡眠時間6時間以下の人は、7~9 時間眠る人よりも、早死にする傾向がある。]
そうは言っても、夜、なかなか眠れない人のために、次のアドバイスが参考になる。
"Individuals were advised to wake up at the same time each day and exercise during the day to improve their sleep."
[ 毎日、決まった時間に起床し、睡眠の質を高めるためには、日常生活に運動を取り入れること。]
かって、ほとんどの武士・農民がそうであったように、朝 4時に起き出して、体を鍛えるか、野良で仕事をし、日が落ちて小鳥が眠りについたら、体を休め、ベッドに入る。これが一番だ。
古くから、「早起きは三文の得」、「早寝早起き病(やまい)知らず」と言われ、早起きは健康に欠かせないとされた。これを、単に古いことわざ、と一刀両断に決めつけるのは無茶、無謀。現代人が、その知恵をそれほど進化、発展させたとは、とても思えない。
(写真は添付のBBC Newsから引用。)