大人のやること:ピント外れで困る子どもたち (BBC-Education & Family, October 3, 2015)
[ おなかが痛んだり、足を怪我したとき、どうすればいいか、子どもは誰でも知っていて、お医者さんか学校の保健士さんのところに行く。]
"Every child knows if they are unwell with a stomach ache or hurt their leg, they go to the doctor or school nurse."
では、「うつ病(depression)」などの「心の病(mental health problems)」になったら、どうするか。このとき、子どもが真っ先に頼るのは、「インターネット」か「友だち」。
このような調査結果が発表された。
確かに、イギリスには「開業医(GP)」も「学校の保健士(school nurse)」もいることはいる。しかし、皆が皆、メンタルヘルスの専門家ではない。子どもは子どもなりに、その辺の事情は良く知っているのだ。
イギリスでは、子どもの「不安神経症(anxiety)」や「自傷行為(self-harm)」が増加し、これに関連した「事故緊急来院(accident and emergency departments)」も指数関数的に急増している。
[ 子どもたちが、今、求めているものは、信頼できて、アクセスが可能で、とやかく言われなくて、しかも日常的な手助けの一部になってくれるようなインターネット・サポート情報だ。]
"Young people say they need information they can trust on the Internet and drop-in support which is accessible, non-stigmatised and part of everyday life."
現在のインターネット・サービスシステムでは、たとえ、良質な情報があったとしても、子どもたちが、それにたどり着けるかは「運次第(a matter of luck)」になっている。
イギリス政府は、子どものメンタル対策費として、今後5年間で約2,300億円(£1.25bn)の予算を計上しているそうだ。
これは、何もイギリスの子どもたちのメンタルヘルスに限った事情ではない。日本の小学、中学、高校、大学でさえ、いや、全ての職場でも、程度の差こそあれ、「深刻な心の悩み」がまん延していると推測される。
対策は、ともすると「形式的(bureaucratic)」に陥りやすい。救いを求め人が、「インターネットを頼りにする」現実があるのに、学校は相談窓口やカウンセラーを増やして対策に当たろうとする。
悩める人の気持ちの理解が、少なくとも20年は遅れている。
(写真は添付のBBC Newsから引用)