「ヒメアカタテハ」蝶:大群がイギリスに飛来か (BBC-Earth, June 12, 2015)
野の花に舞うその蝶の華麗な姿は、さながら、舞踏会で踊る、美しいドレスの貴婦人(lady)に似て、見る人を魅了する。
ヨーロッパは、この数ヶ月暖かい気候が続いた。そのお陰で、「ヒメアカタテハ」(Painted Lady Butterfly)が、異常と思われるほどの大集団でヨーロッパ南部に集結しているという。
例年、暖かいアフリカで越冬した蝶の一部は、繁殖のために「渡り」(migration)をすることで知られているが、これから夏にかけ、イギリス、あるいはもっと北へ目指して、この蝶の大移動が始まるのだ。その移動距離は、ざっと9,000マイル(約14,000 km)に及ぶ。同様の「渡り」をすることでよく知らた北アメリカ大陸の「オオカババダラ」(Monarch Butterfly)よりも、長い飛行距離だ。
しかし、この集団移動には秘密がある。毎年、同じ個体の蝶が、アフリカからヨーロッパに集団移動しているわけではない。「伊勢神宮の20年ごとの建替え」ではないが、通常は、5~6年ごとの世代で蝶が「渡り」に加わるという。
イギリスでは、2009年に「ヒメアカタテハ」の大飛来が確認されたが、その後の5年間、飛来する蝶の数は例年並み以下であった。今年、2015年には、南風、気温などの気候条件が整うならば、十年に一度にあるかないかの大群(数百万規模)の「レディ」の舞が見られそうだと、「蝶類保護団体」(The charity Butterfly Conservation)」は期待しているとか。