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美しい花々:なぜ地球を征服できたか! (BBC-Science & Environment, January 14, 2018)

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 数億年前の、恐竜がのし歩いていた頃の地球上は、シダ類 (ferns) や針葉樹(conifers) で覆われていた。しかし、約 1億 5千万年前の「beginning of Cretaceous period (白亜紀前期)」、植物に変化が起こる。花が咲き、実をつける被子植物(angiosperms) が出現したのだ。

 その後、その「flowering plants」は瞬(またた)く間に、裸子植物 (gymnosperms)の生息地を席巻 (せっけん) した。現在、花を咲かせる植物は35万種。地球上の植物の約 90%を占める。

 なぜ、地球上の至る所に色とりどりの花を咲かせ、ご先祖に当たる裸子植物の土地を乗っ取ってしまうことができたのか。この問題は、あの Charles Darwin でさえ「進化論」では説明できず、「an abominable mystery (嫌なミステリー)」と呼んだとされる。 

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 San Francisco 州立大学の Dr Kevin Simoninらの研究チームは、「The Royal Botanic Gardens, Kew (英国王立植物園キューガーデン)」が保管する膨大な植物のゲノムデータを解析し、被子植物 (flowering plants) 繁栄の秘密に迫った。

 すると、浮かび上がったのは「genome downsizing (ゲノムの縮小化)」。
花を咲かせる植物は、「細胞の核 (nucleus of the cells)」内のゲノムを縮小し、2酸化炭素の吸収性を高めて光合成 (photosynthesis) の効率化を図っていたのだ。葉っぱの表面にたくさんの小さな葉脈と気孔を組み込むことによって、CO2とH2Oから酸素O2とグルコースを生成する光エネルギー変換効率は格段に進化した。

 被子植物にとって、この「genome downsizing (ゲノムの縮小化)」は、既存の植物の土地を侵略する上で「necessary prerequisite (必要条件)」だったという。
 なお、Dr Simoninらの研究の詳細は科学雑誌「PLOS Biology」に発表された。

 進化 (evolution) の過程では「small is better.(小さいことは良いこと)」だったのだ。

                     (写真は添付のBBC Newsから引用)

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ブラックホール:理論的とは言え、ゲップをするなんてマナー悪いよ! (BBC-Science & Environment, January 12, 2018)

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 銀河系 (The Galaxy) の渦巻きの直径は約 10万光年。その 8,000倍の距離 (8兆光年) の宇宙のかなたに巨大な星雲「SDSS J1354+1327」が浮かぶ。Chandra space telescope (チャンドラ宇宙望遠鏡)は、その星雲のほぼ中心で、X腺を発する「supermassive black hole (超質量ブラックホール)」を発見した。

 さらに、Hubble space telescope (ハッブル宇宙望遠鏡)は、そのブラックホールから青緑色に輝きながら、衝撃波のように高速で噴出する「a stream of high-energy particles (高エネルギー粒子の流れ) を確認した。なお、その近くには、先に噴出したと思われる高温ガス体の痕跡も残っていたという。

 どうやら、ブラックホールは宇宙のガス・塵を食べ過ぎて 2度も「ゲップ(burp)」をしてしまったらしい。Colorado大学 Ass. Prof.のJulie Comeford によると、これはテーブルマナーの悪いブラックホールの証拠。

 ブラックホールの活動は、理論的に、「feasting phase (どんどん宇宙のガス・塵を食べ尽くす段階)」と、ときどき「burping (ゲップ)」し、その後は「うたた寝」する段階を繰り返すと考えられている。ゲップをしつつも食べずにいられないときのブラックホールは明るく輝き、眠りにつくと暗くなる。その周期は10万年だ。宇宙の timescales (タイムスケール) では、ほんの1瞬に過ぎない。したがって、ブラックホールは、チラチラと光を放つようなもの。

 なお、今回発見されたブラックホールの 2つのゲップ現象は極めて珍しいという。どうやら、隣り合う星雲と星雲が衝突して 1つの巨大な星雲となったとき、超質量ブラックホールにはそれぞれの星雲から別々に「meals (食事)」が提供されたため、その都度、食い切れずにゲップを吐いたらしい。(研究内容の詳細は「Astrophysical Journal」に掲載。)

 どうにも、大食い (veracious eaters) のブラックホールは、お行儀が悪い。

                    (写真は添付のBBC Newsから引用)

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性格が悪いか、パーソナリティ障害:怒鳴り散らして他人を攻撃 (BBC-Health, January 12, 2018)

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 情緒不安定 (emotional instability) で仲間や部下を口汚く罵(ののし)り、パワハラ(power harassment) を繰り返しても、それを「指導」と言い張る。そんな輩 (やから) は世の中に幾らでもいる。
 困ったことに、単に性格が悪い人間なのか、人格が壊れた病気「personality disorder (パーソナリティ障害、PD)」なのか判断が難しいことだ。

 そもそも PDは、妄想・幻想と現実の区別がつかなくなる精神病 (psychosis) と、不安・鬱などの神経症 (neurosis) との境界領域に位置づけられる精神疾患。このため、短時間の診察結果から自信をもって、PD と診断できる精神科医は少ないと思われる。また、軽々に病名を特定すると、患者に汚名 (stigma) を着せることになりかねない。

 イギリスでも、このパーソナリティ障害 PDという病気は一般の人にほとんど知られていない。しかし、「The Royal College of Psychiatrists (英国王立精神科医学会 RCP)」によると、イギリス人の 20人に 1人 (5%) が、この病気に苦しんでいると推定され、この病気で被(こうむ)っている国の経済損失は、イギリスで年間 £11bn (約1兆7千億円) と見積もられている。
 なお、「American Psychiastic Association (アメリカ精神医学会)」のHPでは、USの成人の推定 9 %がこの病気に罹患していると報告している。

 UK、USのいずれの罹患率を適用しても、日本の「パーソナリティ障害PD」罹患者数は少なくとも 600万人以上と、膨大な数にのぼることになる。

 PDの原因は、子どもの頃に受けた「心的外傷 (emotional trauma)」が関係すると言われ、一般に「self-harm (自傷行為)」、「substance misuse (薬物乱用)」、「abrupt mood swings (突発的な気分変動)」、「suicidal thoughts (自殺念慮)」などの症状を伴う。
 PD罹患者が必ずしも暴力をふるい、犯罪を犯すわけではない。患者によってその異常行動は違い、共通しているのは「持続的な情緒不安定とそれに起因する行動(persistent emotional instability and behaviour)」。これが他人に多大な迷惑 (profoundly negative impact) を与えることもある。

 イングランド中部の都市「Sheffield (シェフィールド)」に住む Ms Catherine Carlickもこの病気に苦しんだ 1人だ。「職場の同僚に毒を盛れ」との声が頭の中に聞こえて、ドリンクに「diazepam (ジアゼパム)」を入れ、刑務所に送られる。その後、精神科病棟で診断されるまで、本人は「パーソナリティ障害PD」であることを知らなかったという。
                    (写真は添付のBBC Newsから引用)

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ココナッツ・オイルは健康食品か?:その実験結果は予想外! (BBC-Health, January 9, 2018)

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 ココナッツ・オイルは口臭 (bad breath) を消し、消化器疾患 (digestive disorders) などにも効く万能薬との触れ込みと、セレブを採用したコマーシャルが功を奏して、販売実績が急上昇中 (rocketing)。
 US女優の Angelina Jolie-Pit (アンジェリーナ・ジョリー・ピット) は朝食に tablespoon一杯のココナッツ・オイルを添えると言う。また豪州のモデル Miranda kerr (ミランダ・カー) はサラダやスムージーにかけて食べ、肌にもパシャパシャとココナッツを塗りつけるそうだ。これでは、誰でも、買って見ようと思ってしまう。

 しかし、ココナッツ・オイルの主成分は「saturated fat (飽和脂肪)」(86%)。飽和脂肪は血液中の LDLすなわち悪玉コレステロール (bad cholesterol) として知られる「低比重リポ蛋白 (low density lipoprotein)」濃度を押し上げ、心臓病の発症リスクを高めるとされる。
 ところが、食品によっては、そこに含まれる飽和脂肪が善玉コレステロールのHDL値をも増加させることある。
 はたして、ココナッツ・オイルは本当に健康に良いのか、悪いのか。これまで、人間が実際に食べて調査した研究はほとんどなかったという。

 BBCの「Trust Me, I'm a Doctor」チームは、Cambridge大学の Kay-Tee Khaw教授、Nita Forouhi教授の支援のもとに、ボランテイア 94人を 3グループに分けて興味深い実験を行なった。参加したボランテイアの年齢は 50-75歳、いずれもこれまで糖尿病や心臓病に罹ったことのない人ばかり。
 実験開始に当たって、被験者全員の血液検査 (LDL, HDLなど)が実施され、実験後の検査値に比較された。

 実験の 3グループには、特上ココナッツ・オイル、特上オリーブ・オイル、無塩バターを別々に各人好きなように4週間食べてもらう。その量は毎日 50g (3 tablespoons)。

 さて、その結果は驚きの数値が並ぶ。

                                                        LDL                   HDL
・unsalted butter                          10% up           5% up
・extra virgin oil                            small drop      5% up
・extra virgin coconut oil              no rise            15% up

なんと、ココナッツ・オイルは健康に良しと出たのだ。Khaw教授も「I have no real idea.(まったく、わからない)」と答えたという。だたし、ただ一度だけの、しかも短期間の実験で「coconut oil」が健康食品 (health food) と断定するのは「premature (時期尚早)」。

 さて、結論。
"But if, like me, you enjoy putting coconut in your curries, there seems no very good reason to stop."
[ しかし、私のように、カレーにココナッツを入れてその風味を楽しむ人には、あえてココナッツの使用をやめる理由もなさそうだ。]

                    (写真は添付のBBC Newsから引用)

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人の声が聴き取り難くなったら:原因を知って、トレーニング開始! (BBC-Health, January 10, 2018)

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 イギリスでは 6人に 1人の約 1千万人が何らかの難聴 (hearing loss) に悩まされている。50歳を過ぎると40%以上、70歳を過ぎると 70%のイギリス人が聴力に異常を来す。
 この難聴の主な原因は、遺伝要因 (hereditary factors)、騒音暴露 (noise exposure) 、トラウマ (trauma)、耳疾患 (ear diseases) それに老化 (ageing)などだ。

 加齢に伴う難聴については、現在、治療法が存在しない。しかし、対処する方法はある。このBBCの記事は、Dr Michael Mosleyのリポート。
 まず、難聴は次のような「前兆 (warning signs)」で始まる。

・Having the TV on very loud :テレビの音量を極端に上げる
・Struggling to follow conversations :会話が聴き取れない 
・Missing phone calls or the front door bell :電話や来客の訪問ブザーに気づかない
・Denying you have a problem :自分に問題があることを否定する

 大事なことは、聴力に異常を感じたら、すぐに専門医の診断を受けること。必要に応じて検査を受け、原因を確かめることが先決だ。
 難聴に気づかず、あるいはこれを放って置くと、日常生活に不便を来す他、「social isolation (社会からの孤立)」を招き、「dementia (認知症)」や「depression (うつ病)」の発症リスクを高めてしまう。

 ただし、難聴は「hearing aid (補聴器)」に頼る以外にも、衰えた聴力を補完する、次のような「tips (秘訣、裏技) 」がある。

・If you're with other people, place yourself in the middle of the group.
・Have the light behind you, to help you see the other person's face clearly.
・Ask people to face you when they are talking to you and not cover their mouths.
・And if you're really keen - you could try learning to lip-read.

・複数の人と一緒に居るときは、中央に位置すること。
・照明が体の背後から当たるようにし、人の顔をよく見て話す。
・複数の人と話すときは、マスクをしていない人に、顔を真向かいに見て話す。
・やってみたいと思うなら、口の動きで会話を読み取る読唇術もお勧めだ。
 
 声の聴き取りの練習は、騒々しいレストランなどで行なうのが効果的。話し手の口の動き、身振りなどを参考に、騒音の中から相手の声を聞き分けるトレーニング。これは、どんな人にとっても有効な会話術に違いない。
                   (写真は添付のBBC Newsから引用)

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ほんの遊びのつもりが!:抜けられなくなるタバコ依存症 (BBC-Health, January 10, 2018)

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 はじめは、ほんの遊び、あるいは大人のまねごとだった。タバコの吸い始めとは、こんなもの。しかし、そのたった一度のタバコが、若ものを深みに引きずり込み、ドロ沼から抜け出せなくしてしまう。何もタバコに限ったことではない。ギャンブル、薬物、悪事にも言えることだ。

 London大学「Queen Mary」の Peter Hajek 教授らの研究グループは、2000- 2016年にかけて 8回にわたって UK, US、豪州、ニュージーランドで実施されたアンケート調査データ「The Global Health Data Exchange」21,5000 件を分析し、「はじめてタバコを手にした人」と「タバコを手放せなくなった人」との関連性に迫った。

 その結果、なんとなく、タバコに興味が引かれて、タバコを吸って見たことがある人の割合は 60.3%。一度吸ってしまった人で、その後、タバコを吸い続けることになった人の割合は 68.9%。
 ただし、これらの数値は調査対象国によって違うため、平均化された値だ。ちなみにUKのみのデータに限定すると、タバコを一度吸ったイギリス人の82%が喫煙常習者に陥っている。

 なお、「The Office for National Statics (イギリス国家統計局)」の調査データによると、イギリスの喫煙率は、以下のように減少に転じている。

  Age-group                  2010       2016
  Adults                        19.9%     15.5%
18- to 24-year-olds    25.8%     19.3%

加えて、最近の調査によると、11-15歳のヤング層の喫煙率は19%であった。

 喫煙運動を繰り広げるCharity「Action on Smoking and Health」の最高責任者 Mr Deborah Arnottは、タバコ販売のさらなる規制強化をイギリス政府に訴える。

"The government is refusing to introduce licensing for tobacco retailers, even though there is strong support for this both from people and retailers."
[ イギリス政府は、タバコ小売販売に許可制を導入することを拒み続けている。国民も小売業者もその導入には大賛成だというのに。]

                  (写真は添付のBBC Newsから引用)

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飛行機の座席:通路を挟んで右と左、あなたはどっちが好き! (BBC-News, January 8, 2018)

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 これはトランプ・ゲーム「old maid (ばば抜き)」に利用できそうだ。
 同じような2つのものが目の前に置かれているとき、人 (右利き) は右側を選ぶ確率が高い。「人間の心の中に存在する右側バイアス (mind's rightward bias)」が働くためだ。

 Queen's Margaret大学で心理学を専門とする Dr Stephen Darling、Edinburgh大学で人間認知神経科学 (human cognitive neuroscience) を専門とする Sergio Della Sala 教授らの研究チームは、年齢 21-31 歳の若もの 32人 (女性21、男性11) に協力を依頼し、「選択」に左右の別の違いが人の好み・指向性として現われるのか、調査した。
 なお、被験者 (participants) 31名の視力は正常。

 実験では、ネットで飛行機の座席を指定するように、コンピュータ・スクリーン上に映し出された機内座席表 (seating diagram) から座りたい席を選択する方法がとられ、被験者各人に仮想の航空便32機種の座席を指定してもらった。

 すると、心の中の右側びいきのバイアスが働いて、機内の右側の座席を好む傾向が確認されたという。
 どうやら、人は日常一般の家事 (domestic tasks) でも、右側を好む傾向にあり、右と左に並んだものについては、右を選択してしまいがちであることが、これで裏付けられた。

 なお、研究結果の詳細は、医学雑誌「Laterality: Asymmetry of Body, Brain and Cognition」に発表された。
                    (写真は添付のBBC Newsから引用)

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