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若もののチーズ・牛乳離れ:骨粗鬆症の発症リスクに拍車 (BBC-Health, April 12, 2017)

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 日本のほとんどの大学のキャンパスが、学園紛争で騒然となった 1960年後半から1970年代。学生の中には、貧しさから、当時売り出された即席ラーメンを常に食べ続けていた若ものが幾らでもいた。
 その頃はもちろん、それ以前も、牛乳、ヨーグルト、チーズが果物と一緒に食卓にあがる家庭は限られていた。

 そして時は過ぎた。
 先日、放映されたドキュメンタリー番組で、カリフォルニア州立大学の学生の状況が報道された。金に困り果て、キャンパス内で寝泊まりし、1週間、水と紙を食べて空腹を満たす学生の姿がそこにあった。
 これはまた、どうしたことだろうか。貧富の格差は、40、50年経った現在、どの国でもそれほど変わっていない。

 しかし、人の体は何を食べるかによって、その健康状態が大きく違ってくる。
 「National Osteoporosis Society (英国国立骨粗鬆症協会)」の成人 2,000人を対象にした調査によると、最近の若ものは、インターネットで「食事上のアドバイス (dietary advice)」を頻繁に見ているにもかかわらず、一部の若ものの食事は、かなり偏っていて、25歳以下の若ものの約20%が牛乳、ヨーグルト、チーズなどの「dairy foods (乳製品)」を嫌厭していることが分かった。 

 

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 もちろん乳製品にはカルシウムが豊富に含まれている。20代後半までにカルシウムをしっかり摂らないと、後で取り返しが付かないことになる。骨粗鬆症の発症リスクが急増するからだ。成長が止まった後で、カルシウムを補強しても手遅れという。

"After the age of 50, half of all women and one in five men develop osteoporosis, a fragile bone condition that causes painful fractures of the hip, wrist and spine."
"Smoking, lack of exercise and fizzy drinks high in acid are all detrimental to healthy bones."

[ 50歳以上の高齢者で、女性の半数、男性の 5人に 1人が、骨がもろくなる骨粗鬆症を発症し、腰、手首、背骨に痛みを引き起こしている。]
[ また、喫煙、運動不足、酸性度の高い炭酸飲料は、どれも健全な骨を台無しにする原因だ。]             

 カルシウムに限らず、特別な毒物以外、何を食べても、食べなくともすぐに命に別状を来すことはない。しかし、ちょっとの気遣いで、健康が保持できるとしたら、それに耳を傾ける方が賢明だ。
                  (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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深海底に眠る宝の山:太陽光パネル素材のテルル (BBC-Science & Environment, April 11, 2017)

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 海には深さ10,000mを越える海溝 (trenches) もあれば、海底から高さ 3,000m級の山もある。
 「カナリア諸島 (Canary Islands)」はアフリカ大陸北西沿岸に近い大西洋上に浮かぶ7つの島。その一帯の海底を海洋調査船「James Cook」で調べていた「英国国立海洋センター」の Dr Braum Murton らは、カナリア諸島から 500km以上の地点の海底で「seamount (海山)」を発見した。標高にして約 3,000m、頂上は海面下 1,000mの平らな台地 (plateasu) だった。

 ところが、その山の斜面に樹皮 (bark) のように張り付いた「clust (クラスト)」に研究者は目を見張った。なんと、太陽光パネルの素材に欠かせない希元素「tellurium (テルル)」が、地上の鉱床に比べて 50,000倍の品位 (含有率) で含まれていたのだ。
 今回発見された海山1つのテルルの埋蔵量は 2,670トン。これは世界総生産量の 2/3に相当する。まさに海の中の「treasure trove (宝の山)」の発見だった。

 さて、この「テルル・リッチ・クラスト (tellurium-rich crust)」をどのように採掘するか。問題 (conundrum) は掘削時に巻き上がるダス ト(plumes of dust)。これによって海底に生息する生物は壊滅的なダメージを受ける。たとえば、海洋生物の「食物連鎖 (food chain)」の底辺を形成する「xnenophyophores (クセノフィオフォラ)」は、環境変化に脆弱 (fragile) な「単細胞生物 (single-celled organisms)」だ。これが死に絶えると、その生物に依存していたサンゴ礁が消え、住みかを失った魚はいなくなる。

 それでも、企業、政治家は、原子力エネルギーの開発と全く同じように、なにがなんでもと、屁理屈をつけて採掘に走るに違いない。「クセノフィオフォラテルルとどっちが大事だ」などと言わなければ良いが。
 
                 (写真は添付のBBC Newsから引用。)

カートリッジ・インクの価格はなぜ高いか?:巧妙な心理商法 (BBC-Business, April 8, 2017)

 

 

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 インクジェットタイプのプリンターは数千円で購入できる。しかし、そのインクはすぐになくなるし、インクカートリッジの価格は結構高い。それは、なぜか。また、カプセルコーヒーの抽出機はお手軽値段に設定されているが、肝心のカプセルの値段は、これまた高い。
  この背景には、ビジネス用語で「two-part pricing( 2部価格制)」と呼ばれる「商いの心理戦術 (psychological tactics)」がある。この商法を始めに考え出したのは、USAの「King Camp Gillette (キング・キャンプ・ジレット [1855-1932] )」だ。

 1800年代後半のことだ。、当時、髭剃り用のカミソリと言えば、頑丈なつくりで、高価だった。もちろん切れ味はすくに悪くなる。これに目をつけたGillette は、カミソリ本体と使い捨ての刃から成る「替え刃式カミソリ」を「Gillette Safety Razor (ジレット安全カミソリ)」として販売した。それは当初、「(eye-wateringly exorbitant (人を泣かせるくらいの、とんでもない値段)」だった。なにしろ、1週間分の平均労働賃金の 1/3 (現在の価格にして約2万円)もした。

 ところが、やがて替え刃式カミソリのパテントが切れると、同様の製品が他社から安い価格で販売されるようになる。これに対抗するために考え出されたのが、「two-part pricing」商法。カミソリ本体は安く売り、替え刃を高く売りつける方式だ。今では、どのメーカーの電動シェーバーにも採用されている「ubiquitous (どこにでもある)」販売方式。
 お陰で、消費者は新製品を買うべきか、それとも、替え刃を買う方が得なのかと、常に迷わされ、惑わされる。

 この商法のポイントは消費者に「安い他社の替え刃 (cheep, genetic blades)」を買わせないようにすること。そのための対策は 2つある。

・その1:legal (法的な対策)
 製品にパテントを設定することで、「商標のない安い代用品 (compatible alternatives)」のマーケット参入を阻止できる。しかし、パテントは永久には続かない。Nespresso のように、パテントが切れて、他メーカーの安い代用品コーヒーカプセルの出現に悩まされることになる。

・その2:technical (技術的な防衛策)
 ブランド純正製品 (genuine goods) 以外のカートリッジ、ゲームソフト、替え刃などは使えないように、製品本体にチップリーダーなどの細工を施す。例えば、カプセルコーヒーの製品に密かに埋め込まれたチップが、本物 (genuine)か偽物 (generic) かの判断に利用され、純正製品でなければ、機械は作動しない。

 さらに、「two-part pricing (2部価格制)」別名「razor and blades model (カミソリ・替え刃モデル)」には「switching cost (切替コスト)」の仕掛けがある。

 一旦、特定の商品の使用に馴染んだ人は、他の製品に変えるのがやっかいだ。ようやく時間を掛けて覚えたコピー機やゲーム機の使い方、あるいはKindle のソフト蔵書。これを全てゼロにして、他社の製品に切り替えるのは、誰にとっても「煩わしい (hassle)」。したがって、大方の人は、仕方がない(reluctantly) と、我慢しながら「現状どおり」を選択してしまうのだ。

 さらに、「brand loyalty (ブランド信仰)」が消費者の気持ちに追い打ちを掛ける。
 「少々価格が高いのは、性能の優れたブランド製品だから」の触れ込みで、Gillette の替え刃式カミソリは、パテントが切れた後も、その売り上げを伸ばした。もちろん、膨大な広告費を費やしたに違いない。

"Two-part pricing can be highly inefficient, and economists have puzzled over why consumers stand for it. The most plausible explanation is that they get confused."
"Either they don't realise they will be exploited later, or they do realise but find it hard to think ahead and pick out the best deal."

[ 2部価格制は社会にとって極めて非効率。それなのに、なぜ消費者は我慢しているのか。経済学者が長年、頭を悩ましてきた課題だ。これに対する最も妥当と思われる答えは、消費者が混乱していることにある。]
[ その製品を購入した消費者が、その後、ずうっと販売会社の食い物にされることに気づいていないか、あるいは、そのことに気づいていても、先のことまで考えるのが難しく、正しい選択ができていないのだ。] 

 なんとも、皮肉なことだ。「razor and blades model」の生みの親「Gillette」の理想は、「日用必需品 (life's necessities)」を限りなく安く提供し、equality (平等), virtue (徳), happiness (幸福) に溢れてた社会を作り出すことだった。 

 商売とは心理戦術を駆使した仕事だ。 巧妙に仕掛けられた罠 (traps) を見誤ると、「addiction( 商品中毒)」の穴に引きずりこまれる。                                       
                 (写真は添付のBBC Newsから引用。)


 

 

星の一生:宇宙では、すぐに消える泡のごとし! (BBC-Science & Environment, April 7, 2017)

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 宇宙空間を漂う水素 Hやヘリウム Heなどのガスや塵 (dust) は、やがて重力の作用を受けて集まり出し、分子雲(暗黒星雲)を形成する。

[ その巨大な分子雲が自らの重力によって収縮し、崩壊を始めると、星が誕生する。オリオン座分子雲 1 (OMC-1) は、地球から 1,500光年の彼方の宇宙に広がる領域、そこではたくさんの若い星々が誕生している。]
[ およそ 500年前、これらの原始星が重力によって互いに引き合い、近づきだした。そして、2つの原始星が接触するか、あるいは真っ正面から衝突して強烈な爆発を引き起こし、ガス・粉塵を毎秒 150km以上のスピードで宇宙に噴出した。]

"Stars are born when a massive cloud of gas starts to collapse under its own gravity. At a distance of 1,500 light years from the Earth, a number of very young stars began to form in a region called the Orion Molecular Could 1, (OMC-1)."
"Gravity pulled these proto-stars closed at increasing speed until about 500 years ago, two of them either grazed or collided head on, triggering a powerful explosion that hurled gas and dust debris out into space at more than 150km per second."

  この爆発の兆し (hints) は、2009年に観測されていたが、今回、チリのアタカマ砂漠に建設された「Atacama Large Millimeter/submillimeter Array, Alma (アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計、アルマ望遠鏡)」によってその爆発の瞬間の映像が捉えられ、高解像度で分析された。

 それまで暗く、穏やかだった「育星雲 (stellar nursery)」に突然、爆発が起こり、膨大なガス・塵のジェット流が星間宇宙空間 (interstellar space) に飛び散った。Colorado大学の John Bally 教授らの研究チームは、この爆発で発生したジェット流の構造、飛散したガスの種類、その速度などを解析し、研究結果を「Astrophysical Journal」に発表した。

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 巨大な星雲では、核融合反応が始まる前の、ごく初期の「原始星 (proto-stars)」がたくさん生まれるという。それは、川の流れの泡のようだ。生まれてはやがて互いに衝突し、消えて行く。核融合反応で輝く星はごくごく一部の星とか。

                 (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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39光年の彼方に宇宙人?:地球によく似た惑星に大気層があった! (BBC-Science & Environment, April 6, 2017)

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 南の地平線上に輝く「帆座 (Vela Constellation)」に「super-Earth (巨大地球型惑星)」GJ 1132b が発見されたのは2015年。
 その後、イギリスの Keel大学 Dr John Southworth らの研究チームは、チリの「The European Southern Observatory (ヨーロッパ南天天文台)」にて、その惑星の観測、研究を続けて来た。そして、ついに、惑星 GJ 1132b が、水蒸気かメタンあるいはそれらの混合気体から成る大気層で厚く覆われていることを発見し、その詳細を「Astronomical Journal」に発表した。

 GJ 1132b と呼ばれる太陽系外惑星は、地球から35光年の宇宙の彼方にあって、その大きさは、地球の約 1.4倍。地上の温度は 370℃。水蒸気が濃く立ちこめた蒸し風呂のような世界が想像される。
 一方、地球上の生命体が耐えられる温度は 120℃。したがって、その惑星の環境で何らかの背生命体が生息しているのかは、極めて疑わしい。

 Gj 1132b が周回する恒星 (star) は、太陽系の太陽に比べて小さく、表面温度も低いため、薄暗く輝く。

 今回、分厚い大気層で覆われて、地球によく似た惑星が発見されたことから、この宇宙には、「extraterrestrial life (宇宙人、ET)」が人間と同じように望遠鏡を覗いている可能性が高くなった。
 それほど遠くない将来 (in the not-too-distant future)、地球の環境によく似た惑星が、もっともっと見つかるはずだ。

                 (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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抗生物質の長期服用:大腸ポリープを誘発! (BBC-Health, April 5, 2017)

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 病気に罹ると、ほとほと困る。抗生物質 (antibiotics) の使い過ぎの恐ろしさが頭にある人は、だれでも、はじめは薬局に出向く。そして、それほど安くはない漢方薬(Chinese herbal medicines) を買い求める。
 ところが、大抵、症状が一向に良くならない。結局、病院で診断を受けて、抗生物質を飲む破目になる。

 では、この抗生物質を飲み続けると、どうなるか。
 USA の医療研究チームが看護師 16,600人に協力を依頼し、長期間にわたる大規模臨床試験「Nurse Health Study (看護師医療研究)」を実施した。
 被験者の一部に、2ヶ月以上、抗生物質を服用してもらい、服用しなかった被験者の健康状態と比較した。

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 その結果、抗生物質を飲み続けた被験者には、臨床試験後の診断で、大腸ガンにつながりかねない大腸ポリープ「adenome (アデノーマ、腺腫)」が数多く発生する傾向にあることが分かった。しかも、40 - 50代の中高年層は、20 - 30代の層よりもポリープの発生する確率が高くなった。
 ただし、この研究では、どの程度のアデノーマが大腸ガンに発展したかについては、明らかにされていない。

 確かに、抗生物質は「細菌感染症 (bacterial infections)」に対して抜群の効果を発揮し、これまで多くの人命を救って来たことは否定できない。
 しかし、一方で

"Antibiotics fundamentally alter the gut microbiome, by curbing the diversity and number of bacteria, and reducing the resistance to hostile bugs."
[ 抗生物質は、腸内に生息するバクテリアの多様性やその数を大幅に減少させて、腸内の微生物叢を根本から変えてしまう。さらに、悪玉細菌に対しては、体の抵抗力を弱めてしまう。]

 加えて、抗生物質は、大腸ガンの「前兆 (precursors)」になりかねない、大腸ポリープの発生を促していることが分かったのだ。 

 ただし、チャリテイ団体「Cancer Research UK (英国ガン研究)」保健報道官 Dr Jasmine Just が BBCに語ったところによると、

 『この USA研究グループが医学雑誌「Gut」に発表した内容は、極めて初期段階の研究結果であり、そこから明確な結論を引き出すのは時期尚早。抗生物質を処方されている患者は、すぐに服用を中止することなく、心配がある場合は主治医に相談すること』。

 さて、結論:抗生物質は「諸刃の剣」であることを認識すること。Dr Jasmine は掛かり付けの医者に相談するようにと勧めるが、果たして、じっくり患者の話を聴いてくれる、あるいは信頼できる医者など、今どき居るのだろうか。

                 (写真は添付のBBC Newsから引用。)
        

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イギリスのEU離脱Brexit:地質学的には15万年前に完了! (BBC-Science & Environment, April 4, 2017)

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 イギリスは 3月 30日、EUからの離脱手続きを正式に開始した。EU諸国を相手に、その離脱交渉は難航するものと見込まれている。
 ところが、科学雑誌「Nature Communications」にイギリスの May 首相も、思わずため息をつくような事実が発表された。「Imperial College of London」大学の Sanjeev Gupta 教授らの研究結果によると、「Great Basin (グレート・ブリテン島)」は、地質学的には約 15万年前、ヨーロッパ大陸から完全に切り離されていたのだ。

 今から約 50万年前の、氷河期のまっただ中にあった時代には、イギリス南部 Kent (ケント州) の町「Dover (ドーバー)」とフランス北部の都市「Calais (カレー)」は白い岩chalk (チョーク) の陸橋 (land bridge) でつながっていた。その陸橋の北側には巨大な氷河湖 (glacial lake) が広がり、湖の岸辺にはヨーロッパのほぼ全域を覆っていた氷河の壁が立ちはだかる。
 時が過ぎ、約 45万年前頃になると、その氷河が溶け出し、氷河湖の水位が上昇する。そしてついに、氷河湖に湛えられていた水が陸橋を越えて溢れ出す。それは滝のように海に落下し、陸橋に沿って幾つもの滝つぼ (plunge pools) を形成した。

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 その後の約 15万年前、氷床 (ice sheet) の一端が氷河湖に崩れ落ちたためか、突如として大量の水が一挙に陸橋に襲いかかる。これによって陸橋は壊滅的な破壊を受け、完全に消え去ってしまった。地質学的に Great Basin を Europe から切り離す「決定的なイベント (defining event)」は、瞬時に終わったと思われる。

 数十年前、ドーバー海峡 (Dover Strait) のトンネル工事に先だって海底調査が実施された際、不可解な窪み (depressions) が多数発見された。岩盤の上に、深さ100m、直径数百~数㎞ の巨大な穴が、一列に並んでいたのだ。今回の Gupta 教授らの研究によって、その謎がすっかり氷解したと言える。

 しかし、イギリスは議会民主主義発祥の国。日本とは違うと思っていた。その国で、英語に「Brexit 」などと余計な単語を加え、無理やりEU離脱に国民を誘導したイギリスの政治家 (politicians) たち。なんとも「不可解かつ壊滅的なイベント (mysterious and catastrophic event)」が起きたものだ。
  もちろん、May 首相がこの論文あるいは「滝壺の痕跡 (scares)」を持ち出して、『15万年前、すでにイギリスはヨーロッパから切り離されていた』などと、どんなに主張としても、何の役にも立たないだろう。
                 (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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