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麻薬犯罪が多すぎるScotland:グラスゴー市が取った対策とは? (BBC-News, July 10, 2019)

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 国内旅行では、何の問題もないが、海外旅行に、絶対持って行ってはならないものがある。龍角散だ。空港で、その白い粉が発見されると、麻薬と間違えられてやっかいなことになる。

 さて、麻薬(drugs)と言っても色々。白い粉の「H (heroin)」、青い錠剤「Street Blue(diazepam)」,モグサのような「Hashish (cannabis)」等々。
 UKの法律によると「違法薬物 (controlled drugs) 」を所持、あるいは、これを他人に供与したり、敷地内に故意に隠匿させたものは、処罰される。

 ところが、この数年、Scotlandでは麻薬乱用者が急増した。
 その背景には、深刻な貧困問題がある。帰る家を失ったホームレスが、街角でうずくまる姿は痛々しい。その多くが、子どものときに辛酸な逆境を経験した若ものだ。貧困地域の薬物乱用は、富裕地域に比べて17倍も高いという。

 麻薬に手を染めて刑務所に送られると、「社会のはみ出しもの (marginalised drug users)」のレッテルが貼られ、社会復帰は極めて難しい。
 また、彼らの70%は、長期薬物乱用(中毒)、慢性的な精神霜害、慢性的な健康障害という「3重疾患 (tri-morbidity)」を抱える。つまり、ほとんどが心身ともに病んでいる。

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 このため、麻薬が関連した死亡率は、Scotlandがヨーロッパで最も高い。薬物乱用者の平均寿命が47歳とは、Victoria王朝時代の数値だ。

 そこで、Scotlandの「Glasgow City Council (グラスゴー市議会)」は、市内に麻薬乱用者用の特別施設を設け、専門の医療スタッフが麻薬の扱い方を指導する体制に移行した。3年前のことだ。さらに、この7月、Scotlandの日刊紙「The Daily Record」は、麻薬の使用を「非犯罪化  (decriminalisation)」するキャンペーンを開始した。

 警察が「mop-up service (一掃作戦)」と称して麻薬乱用者を捕まえ、刑務所に閉じ込めるだけでは、社会の問題解決にはならず、むしろ、社会の一員として、必要な教育、指導、治療を与えるべきとの声が高まっている。

 社会から取り残された大勢の若もの。彼らにも、その後半生が残されている。科学技術や医学は進歩したが、「criminal justice system (刑事犯罪制度)」や「human mind (人の心)」には、進歩、進化などの言葉は無関係になり、むしろ退化してしまったのではと思われるほどだ。
 人類は、この地球上で「互いに支え合う心」を、とうに失ってしまった。
                 (写真は添付のBBC Newsから引用)

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