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「それでも、タバコは悪くない」:砂糖だって、悪くない! (BBC-Health, June 4, 2019)

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 「それでも、地球は回る」。1633年、あの偉大なイタリアの天文学者 Galileo Galilei [1564-1644]は、宗教裁判に引き出され、強制的に「地動説」の撤回を迫られた後で、こんなふうに呟(つぶや)いたという。

 今や「タバコが健康を損ねる」ことは、「地動説」と同じように、明白な事実。しかし、それでも、「タバコは体に悪くない」と異議を唱える人は少なくない。
 いや、数々の科学的な証拠・事実に目を向けることを避け、ほとんど自己防衛・自己利益のために、ひたすら「受け入れがたい自説」にこだわる科学者・技術者は、これまで幾らでもいた。

 地殻が動いているとする「プレート・テクトニクス理論」に対しては、口角泡を飛ばし、学生たちに自説の「プレート・テクトニクス批判」を説いたH教授。チッソ水俣工場、神岡鉱山の技術者は、廃水に含まれる有機水銀カドミウムが、それぞれ水俣病イタイイタイ病の原因であることを、長年にわたって必至で否定し続けた。学生には、その特別講演で「T大学の著名な教授がおっしゃっている (否定している)」とし、これに楯突く側の身分をあざ笑った。
 また、スギ花粉アレルギーもそうだ。森林関係者は、スギ花粉が直接の原因ではないと、その関与を強く否定する。
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 さて、タバコだ。どの国でも、タバコ愛好家、タバコ業者とそれに支援を受けた政治家・政治団体は、禁煙運動やタバコのパッケージ表示を規制する運動に対し、豊富な資金力と「政治家-経済界のコネ」をフル活用した猛烈な反キャンペーンを展開した。それに加えて、政府は、常に、民間のタバコ規制運動に「poured cold water the move (冷や水を浴びせた)」。

 タバコの販売広告規制・禁煙に関しては、イギリス政府でさえ、および腰だった。それほど、政治家は、この問題に首を突っ込むと、選挙・支援基盤が危うくなることを恐れたとも言える。
 ようやくのこと、UKで、公共の場における禁煙が実施されたのは2007年。さらに、タバコのパッケージに、健康被害を警告する文言と写真が義務づけられた「Cigarette Plain Packaging Rule (プレイン・パッケージング法)」が、2017年に施行されるまで、約10年の歳月を要した。

 「The Institute for Public Policy Research(公共政策研究所IPPR)」は、子ども世代の肥満増加をくい止めるためには、糖分含有率の高いソフトドリンク・スイーツなどの食品にも、タバコと同様の「plain packaging (プレイン・パッケージング)」を適用するようにと、訴える。

 もちろん、食品業界は「fundamental commercial freedom (コマーシャルの基本的自由権)」と「critical competition (競争に不可欠)」を楯に、パッケージ表示の規制には一歩も譲らない構えだ。

 さて、とにかくタバコに関しては、一昔前では考えられなかったことが現実となった。

・The unlikely could soon become likely.
[ あり得ないとされたことが、(多くの人の努力によって) やがて、あり得ることになったのだ。]

 少なくとも、会議あるいは宴会の席で、権力者が傍若無人の態度で、タバコをプカプカさせることはできなくなった。これまで、どんなに、タバコを吸わない人は迷惑を被(こうむ)っていたことか。
 「健康第一」と言いつつも、それはうわべだけのこと。内心は「選挙第一」だった政治家は、今一度、良心を取り戻して欲しいものだ。人々の健康を本当に大事にする、真の民主主義国家は、未だ遠い。
               (写真は添付のBBC Newsから引用)

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