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医療現場の右と左の勘違い、取り違い:深刻な医療ミス・事故に! (BBC-News, April 2, 2019)

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 カナダで研究生活を始めた当初、緊張した場面では、しょっちゅう「yesterday」と「tomorrow」を言い間違えた。頭の中で混乱が生じるのだ。

 同じようなことが「spatial awareness (空間認識)」でも起こると言う。
 そこに、片目をつぶった顔の写真があるとする。それを見た瞬間に、右、左の、どちらの目をつぶっていたのかについて、正確に言えるだろうか。
 たいていの人にとって、そんなことは「effortless (たやすい)」。しかし、中には、これを案外、難しいと感じる人もいるそうだ。頭のどこかで、常に「右」とする、あるいは右を優先する意識が働く人もいる。
 さらに、問題を複雑にするのは、たとえ「左」と言っても、画像の左なのか、人物にとって左に当たるのかが、曖昧である点だ。したがって、10人が同じ写真を見て、同じ答えを出すとは、限らない。

 「万に一つ」であっても、こんなミスが、人の命を預かる医療関係者の間で起こると、患者は最悪だ。X線写真に写った肺画像で、患者の左側の肺が炎症しているのに、手術の際に間違えて右側の肺を処置すると、大変な医療ミスになる。現に、ガンに冒された腎臓の摘出手術で、右、左を間違えたという医療ミスを耳にすることも少なくない。

 この種の医療事故は、明らかに「Human Factors (ヒューマン・ファクター)」と呼ばれるミスが原因。医者は、これを「避けられないヒューマン・エラー」と患者に言い訳するが、決して許されることではない。そもそも、トレーニングが欠けているか、医療ミスのリスク意識が欠けている。また、医療事故は隠蔽されることが多いのも事実だ。

 「Queen's University Belfast」のGerry Gormley教授によると、人間は「above and below(上と下)」、「behind and in front (後ろと前)」の区別で、間違うことはほとんどない。しかし、「left and right (左と右)」となると、話は別だ。これを混同する人がいることは確か。頭のどこかで、常に「右」を優先する意識が働いてしまう人もいる。

 なぜ、人間は「右、左」を取り間違えてしまうのか。この問題については、実は、よく分かっていないことが多いのだそうだ。

 患者の炎症部位、治療箇所、あるいは医療機器・器具の「左、右」を間違えなく確認し、他の医療関係者に間違えなく、その情報を伝えるためには、どうすれば良いか。
もっとも基本的な「情報確認、伝達」に関する医者の教育・指導、トレーニングのあり方が問われている。
                 (写真は添付のBBC Newsから引用)

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