やせ薬のネット販売で3,000万円を稼いだ男:殺人罪で懲役刑7年 (BBC-News, June 29, 2018)
その女性、Ms Eloise Parry (21歳)は、WalesのGwyndwr (グインドゥル)大学の学生だった。ティーンエイジャーの頃、メンタルヘルスに悩み、その後「bulimia(過食症)」、「borderline personality disorder (境界性パーソナリティ障害)」に苦しんだ。
そして、食べると、体重が気になり、「やせ薬 (slimming pills)」をネットに求めた。
このとき、Ms Parryのような、痩せたいと思う女性に付け込んだのが、Bernard Rebelo(31歳)。「Rebelo」はポルトガル系イギリス人の姓だ。彼は、違法な劇薬「dinitrophenol (ジニトロフェノールDNP)」を「The Food Standard Agency (食品安全基準庁)」ならびに「Interpol (インターポール)」の目を掠めて、中国からドラムの中に隠して輸入し、これをLondon西部「Harrow (ハーロウ)」のアパートの一室でカプセルに詰め直し、ネットで売りさばいていた。警察に逮捕されるまでにDNPで稼いだ金額は£200,000以上 (約3,000万円)。
Rebeloが「やせ薬」としてネット販売したDNPは、USで1933-1938年に掛けて爆発的に売れた薬物。脂肪 (fat)を燃焼させて、体重を減らす効果があると、一時はもてはやされが、その後、劇薬であることが分かり、販売停止になった。
DNPは、これを摂取するか、あるいはその蒸気を肺や皮膚から体内に吸収しても、次のような症状を起こし、死に至ることもある。なお、致死量は、体重によって若干異なるが、概ね200mgとされる。
・multiple organ failure:多臓器不全
・hypothermia:低低温症
・nausea:吐き気
・coma:昏睡
・muscle rigidity:筋肉の硬直
・cardiac arrest:心拍停止t
・death:死亡
2015年2月、こんなやせ薬をRebeloから購入して飲み始めたMs Parryは、すぐに薬物中毒(drug addiction)に陥った。それからわずか2ヶ月足らずの間に、体がどんどん衰弱し、2015年4月12日、病院で息を引き取った。
そのRebeloは、「manslaughter (故殺罪)」に関する2件の訴因 (counts)で起訴されていた。また、当局の取り調べに対し、Rebeloは、薬物をネット販売したことは認めたが、薬物の危険性については、ネット上にて明記していたと主張。
しかし、Ms Parryの死亡から3年が経過したこの 6月29日(金)、「Inner London Crown」裁判所で、Rebeloに対する判決が下された。懲役 7年の実刑判決だった。
なお、この一文をまとめるに当たって、以下の優れた「Guardian」の記事も参考にした。記して謝意を表したい。
・The Guardian:June 29, 2018
[ Diet pills dealer jailed for seven years over student's death]
(写真は添付のBBC Newsから引用)